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松木直也のマイイートロード
 *** No.12

やわらかな湯気の向こうからかすかに聞こえるのは、ふつふつとお粥が煮える音。
今回は、崎陽軒本店総料理長・曽兆明さんに中国お粥の楽しみ方を教えて頂きました。
寒い冬の休日は、のんびり起きて、温かいお粥ブランチしませんか。

 

 崎陽軒本店の総料理長として日々厨房に立ち、60人もの料理人を指揮している曽兆明さんは、テレビ、雑誌への出演や、料理教室なども積極的にこなし、来年からは、大学講師の予定も控えているという、中国料理界のスーパーシェフ。
 しかし普段の顔は、常にトップを走る一料理人としての威厳の裏に、穏やかで人を大きく包み込んでくれるような優しさが見え隠れしていて、とても温かい。 曽さんの料理を食べていつも思うのは、料理からもその優しさが伝わってくるということだ。
「娘が受験の時には、風邪を引かないようにと、スッポンのスープを作ったり、息子が夜食に炒飯が食べたいと言えば夜中でも台所に立ったり、家でもよく料理を作るんですよ」。
 そんな母心にも似た、相手を思いやる愛情が、曽さんの料理人としてのエネルギー源なのかもしれない。
 

曽 兆明(そうちょうめい)さんプロフィール

1949年横浜市生まれ。東京、新橋の「中国飯店」で修業後、「月園」「瀬里奈」などの名店を経て、30才で赤坂「吉祥」の中国料理部門「天苑」の料理長に抜擢される。'96年より横浜「崎陽軒本店」の総料理長に就任。古典料理やヌーベル、薬膳、家庭料理などを自由に調和させる独創性溢れる料理は、数多くの人を魅了し続けている。TVの料理番組や雑誌など広範囲に渡り活躍。

 さて、外は凍えるような寒さが続く季節。
曽さんの温かい料理が恋しくて、この秋オープンした『戸塚 崎陽軒』を訪ねた。
 そこは、一見中国料理店とは思えないようなコロニアル調の邸宅風建物。ぽかぽかと木漏れ日が心地いい中庭を案内してくださった曽さんは「今日は、お粥を食べていってくださいね」と言って、さっそく厨房に向かう。
 そして、日々の忙しさに追われ、疲れ気味だったこちらの様子を気遣って、身体にやさしくてしかも元気の出るお粥を三種類作ってくださると、テーブルに運ぶなり”食べる際の極意“を教えてくれた。
「お粥は、トッピングのバリエーションを楽しむもの。レンゲでひと掬いするごとに、乗せる薬味を変えながら食べてくださいね。ひと口ずつじっくりと味わうことが、作った人への愛情ですよ」。
 左手にはレンゲ、右手にお箸と、なんとなくぎこちない動きをしながらさっそく試してみる。なるほど、食べる度に味と食感が変化して、一つのお粥をトッピングの数だけ楽しめるというわけだ。小皿に盛られたザーサイ、ネギ、生姜、香菜と、次々に具を変えてお粥に夢中になっているうちに、体はほかほかと魔法瓶のように温まり、全身の筋肉までがほぐれて、いつの間にか、すっかりリラックス。
 料理は作る人も食べる人も、お互いの愛情が大切なんですね。 
 もちろんスパイス! 読者の為に、レシピも教えていただいたので、さっそくお試しを。それから、食べる際には”極意“もお忘れなく。

 

 

戸塚 崎陽軒

国道一号線の原宿交差点近くに忽然と現れる、優雅なコロニアル調の建物が、この秋オープンしたばかりの戸塚・崎陽軒。1階には中国料理の「嘉宮」とイタリア料理の「イル・サッジオ」が、2階には全室趣の異なる個室と宴会場があり、どの部屋からも美しい中庭を眺めながら、本店と変わらぬ味をゆったり楽しむことができる。
やわらかな陽光が差し込む午後のランチタイム、ライトアップされたパティオが幻想的なディナータイム。さて、あなたはどちらから?

 戸塚 崎陽軒
 横浜市戸塚区原宿4-37 TEL.045-851-6011
 OPEN:11:30〜22:00(LO21:30、コース料理はLO20:30)
 休日:元旦のみ


『クコの実と牛乳の甘粥』

<材料> 3〜4人分
米 150g
牛乳 600cc(約3カップ)
砂糖 60〜80g
(好みで加減する)
水 1.6(約8カップ)
クコの実 30g

<作り方>
1
米を透き通らせる位のつもりでよく洗い、ザルに上げて20分〜30分間水切りする。
2
やや大きめの鍋に水を入れ、沸いたら米を入れて焦げ付かないようにかき混ぜながら、中火で約20分炊く。(蓋ははずしたまま)
3
牛乳を加えてかき混ぜながら更に沸かす。沸いたら水洗いしたクコの実を加え、約10分炊き、最後に好みの量の砂糖を加えて出来上がり。

『レタスと豚レバーのお粥』

<材料> 3〜4人前
米 180g(約1カップ)
水 2.7(約15カップ)
豚レバー 約200g
しょうが(すりおろす)大さじ1
サラダオイル 大さじ1
酒 大さじ1
中華だし 小さじ1
塩 小さじ1(すり切り)
干しナツメ 5〜6粒
レタス 適量

<作り方>
1
干ナツメを水でもどし(約1時間)、種を取り除いておく。
2
米を透き通らせる位のつもりでよく洗い、ザルに上げて20分〜30分間水切りする。
3
米をボールに移してサラダオイルを入れ、米を強く握りつぶすように揉み込む。
4
やや大きめの鍋に水を入れ、沸いたら米、ナツメ、塩、中華だしを入れて焦げ付かないようにかき混ぜながら、中火で炊き始める。(蓋ははずしたまま)
5
レバーはスライスして水に浸し、水を2〜3回変えて血抜きする。ザルにあけ、酒とすりおろした生姜に漬けて30分位置く。
6
鍋に湯(分量外)を沸かして5を入れ、約5分間茹でたらザルに上げる。
7
米を炊き始めてからおよそ50分後にレバーを鍋に加え、軽く混ぜながら更に約10分間炊きあげる。

『ゆばと牡蠣のお粥』

<材料> 3〜4人分
米 180g(約1カップ)
水 2.7(約15カップ)
生牡蠣 15〜16個
ゆば 30cm四方位を1枚
サラダオイル 大さじ1
中華だし 小さじ1
塩 小さじ1(すり切り)
片栗粉 大さじ1

<作り方>
1
米を透き通らせる位のつもりでよく洗い、ザルに上げて20分〜30分間水切りする。
2
ボールに牡蠣を入れて片栗粉をまぶし、軽く揉む。ボールに水を入れて牡蠣を2回水洗いして付着した貝殻を落とす。鍋に湯(分量外)を沸かし、牡蠣をさっと茹通しする。
3
米をボールに移してサラダオイルを入れ、米を強く握りつぶすように揉み込む。
4
やや大きめの鍋に水を入れ、沸いたら米と塩、中華だしを入れて焦げ付かないようにかき混ぜながら、中火で炊く。(蓋ははずしたまま)
5
ゆば(乾燥ゆばは水で戻しておく)を適当な大きさに切り、米を炊き始めて30分後に鍋に入れる。
6
さらに25分後、牡蠣を鍋に加え、牡蠣にあたらないように軽く混ぜながら更に約5分間炊きあげる。
7
1cm幅程度に切ったレタスを好みの量加える。

トッピングの薬味は、香菜、白髪ネギ、生姜、ザーサイ、カリカリに焼いたフランスパンやクルトンなどなど、自分の好みでできるだけ多く用意する。食べるときは、あくまでもレンゲ一掬いに一薬味が鉄則。

千切りにしたネギと生姜には、ぜひネギ油を添えて。
<<ネギ油の作り方>>
長ネギの青い部分(約3本分)をざく切りにしてスライスした玉ねぎ(1/4個)と一緒にサラダ油(カップ2)で中火で約10分煮立たせる。ネギを焦がさないように時々かき混ぜながらきつね色になるまで火を通したら、ネギを取り出す。一人分小さじ1杯を目安に、好みの量の醤油を加える。
クコの実 レタス 豚レバー 干しナツメ
ゆば センマイ 帆立 えび
ピータン ハチノス ほうれん草 牡蠣
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