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松木直也のマイイートロード
 *** No.33


木村克己さんは「日本には世界中からワインが輸入されている。だが、その生産地に行くことは、 時間、旅費、経路、言葉の問題があり、旅行者を容易に受け入れてくれる一流ワイナリーは極少ない。
東京・横浜から車や電車で約90分の近場に位置する山梨、勝沼町は、そんな困難が皆無の楽園なのである。
秋のブドウ狩りだけでなく、年中の様々な楽しみがある」と語る。では、では、行ってみよう!

  そうだったのだ。我々には季節を楽しむイチゴ狩りやブドウ狩りという楽しみがあったのだ。食べ放題につられ、どういうわけか目は血走り、誰よりも沢山食べてみようと出かけたのである。しかし、ビュッフェバイキングじゃあるまいし、イチゴのみぶどうのみを食べ続けるのは割と早く終わるのであった。それはそれで楽しかったが、さて、勝沼は今やワイナリーめぐりの人々があとをたたないのである。
 なぜなのだろう? 木村さんにお伺いした。
「勝沼のワイン製造者たちの多くは絹や養蚕から転じた、三代目、四代目です。現当主たちは、ブドウ栽培、ワイン醸造に稀有な情熱と才能を持ち、よりよい国産ワインに命懸けで取り組んでいます。その結果のことだと思います」。
さて今回は木村さんがお知り合いの個人経営のワイナリーを3ヶ所めぐった。あいにくの曇り空だったが、小高い丘につながるぶどう畑はあおあおとした若葉が美しい。そして作り手たちの熱い語らい。誰もが「世界へ届け甲州ワイン」という熱意にあふれている。今やフランスのソムリエたちも日本独自のぶどう品種甲州を認めだしているとか。


 ところで、甲州ワインが世界的ワイン評論家、ロバート・パーカー氏によって87-88ポントを獲得したのが2005年のこと。1998年〜2000年にかけて海外から注目され始め、ついに快挙をなしとげたわけだけど、そのへんのニュースは日本のワインファンもよく知っていて、このことがワイナリーめぐりの人々の増加につながっているのであろう。それとワイン製造業者たちが直営のレストランを営業し、そこにはワインに合う料理が待っているのである。そしてぶどうの丘などの宿泊設備も整っている。僕もナパとかブルゴーニュとか訪ねたことがあるけど、週末にカップルでワイナリーめぐりしている多くの人たちを見かけた。自然に親しみ、土地を感じ、ゆったりとした小旅行。特にワインが大好きというわけでもなく、こんなことをきっかけに食材や料理に詳しくなっていく。それとワイナリーめぐりっていう言葉の響きがいいじゃありませんか。「先週彼女とワイナリーへちょっと、ね」もてそうな男だ。
 それはいいとして、さて、木村さんは20年ほど前から勝沼のワインに注目し、この土地に通い続けている。特に個人経営者たちと繋がっている。
「澄んだ空気、鳥の声、陽光の下で、ぜひとも彼らの熱い語らいを聞いてほしいですね。造り手から直接に注がれたグラスから、美味いワインを体中の隅々にまで染み渡してほしい。人生観を変えるほどの、目からウロコの発見が必ずあるはず。そして夕暮れ時からは、彼らの直営レストランで現地ならではの香り高い食事を楽しみましょう」と木村さん。情熱的なのだ。
 ワイナリーではワインをつがれテースティングを繰り返す。なかには木村さんの感想を一字一句メモする人もいた。僕たちもおいしいワインを味わい、そして料理をいただいた。ゆっくりした時間が流れ、車でわずか2時間ぐらいのところだが、異国にいるような気分だった。カップルならば愛が深まるかもしれない。
さて、みなさんもぜひ小旅行、勝沼のワイナリーめぐりを楽しんでみてください。
 

木村克己さんプロフィール

1953年神戸市出身。86年第1回パリ国際ソムリエコンクールに日本代表として出場し、総合第4位を獲得。「アラン・シャペル」「オテルリッツ・パリ」シェフソムリエカヴィストなどを経た後、日本ソムリエスクールを創設。また日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会も創設。食に関する様々な分野でのコンサルタントや講演家としても活躍。

「ぶどうの丘に泊まっちゃう」

甲州市営の全客室100%源泉の温泉つきホテル。試飲可能なワインカーヴや展望レストラン、日帰り対応の温泉館、美術館などが併設され、JR勝沼ぶどう郷駅からも程近い、非常に便利なオールインワン型施設。宿泊はハイシーズンでも大人1泊2名利用で1人9,968円〜とリーズナブル。日帰り可能な距離だけど、せっかくだから1泊していくのがオススメです。(上の写真3点もぶどうの丘の施設)

ぶどうの丘
山梨県甲州市勝沼町菱山5093
TEL.0553-44-2111
URL ; http://budounooka.com/
「レストランも充実の勝沼醸造株式会社」

日本独自の品種として長年作り続けられながらも、そのポテンシャルがなかなか理解されていなかった白ぶどう、甲州種を使ったワインの素晴らしさを世に知らしめたのがこちらのワイナリー。甲州種だけで最上級のアルガブランカ・シリーズを筆頭に10以上ものバリエーションをラインアップし、アペリティフに向くものから、肉にも合うタイプ、スパークリング、デザートタイプなどと幅広い。特約店でのみ販売される白のアルガブランカ、赤のアルガはワイン愛好家の中ではかなり知られた存在で、見つけたら即買うという人が多いためいつも品薄状態。一度飲めばそれまでの国産ワインに対する認識が変わるはず。

アルガブランカブランドでは甲州種でスパークリングワインも製造。このアルガブランカ・ブリリャンテは辛口。辛口樽発酵のアルガブランカ・ピッパ2002、アイスワインのような極甘口デザートワイン、アルガブランカ・ドース2002など、以上全て甲州種によるもの。

勝沼醸造株式会社
山梨県甲州市勝沼町下岩崎371 TEL.0553-44-0069
URL ; http://www.katsunuma-winery.com/

勝沼醸造直営のレストランがこちら。名物は甲州牛という和牛を使ったローストビーフでランチの特選和牛ローストビーフは100gなら3,500円、120g5,500円でアミューズからスープ、パン、サラダ他がつくデラックスな内容。勝沼でちゃんとした美味しいものが食べたいという方には是非ともここに来ていただきたい。写真の料理はオーナー自ら1日1客を案内するワイナリーツアーのオーナーコース7,000円で供されるもの。

ぶどう畑のレストラン『風』
山梨県甲州市勝沼町下岩崎2171
 TEL.0553-44-3325
URL ; http://www.katsunuma-winery.com/kaze/
11:30〜14:30(L.O) 17:00〜21:00(L.O) 水曜休

「グレイスワインの中央葡萄酒株式会社」

グレイスワインは、カベルネ、メルロ、シャルドネなど欧州系専用品種の垣根式栽培に取り組んでいます。万国共通の土俵で栽培と醸造の力を試し世界に通じるワインを日本・山梨の地から生み出す努力を続け、そしてその水準から勝沼が育んできた日本原産ブドウ・甲州種の栽培と醸造を見直し、日本にしかない・世界の人々に求められるワインをつくりだそうとしています。国際コンクールでのキュヴェ三澤の度重なる受賞や世界の著名なワインジャーナリスト達の間でのグレイス甲州への評価の高まりなど、その第1歩は確実に踏み出され、世界から注目されている。また、近年では山梨・明野町のぶどう畑(ミサワワイナリー)で極上のワイン作りに挑む。


左から、あけさくらロゼ2005年(梨北・穂坂地区産ブドウ、カベルネソーヴィニヨン種)、グレイス甲州2005年(勝沼町産甲州種、シュール・リー製法)。ミサワ茅ヶ岳2005年(梨北地区甲州種)ここの特色は、伝統品種の甲州種も特に凝縮度の高い、山路栽培ブドウの確保に取り組んでいること。


中央葡萄酒株式会社
山梨県甲州市勝沼町等々力173
TEL.0553-44-1230
URL ; http://www.grace-wine.jp



中央葡萄酒(株)は山梨・明野町のぶどう畑(ミサワワイナリー)を開発し、新しくレストラン『彩』をオープンさせた。手前、チキンのグリルは甲州産の地鶏を使いしっかりとした料理になっている。若き料理長野澤悟さんの今後に期待したい。ランチ、チキングリル2,000円。

ミサワワイナリー
山梨県北杜市明野町上手11984-1
TEL.0551-25-4487
URL ; http://www.misawa-winery.jp
「株式会社ルミエールがこれまた凄い」
明治18年の創立という日本のワイン文化を担ってきた偉大なワイナリー。皇室御用達であり、世界的なコンクールでも数々の賞を授与していることからも分かるとおり、その品質は群を抜く存在である。現在自社では15品種が栽培されているが、メルロ種を主体にカベルネ・ソーヴィニヨン種やカベルネ・フラン種から生まれたシャトー・ルミエールは国産ワインのそれまでの常識を打ち破る、フルボディの偉大な味わい。また、今回ワインを撮影させたいただいたゲストルームは7月頃から1日1客限定のレストランとなる予定。葡萄の葉や自社のワインを使った料理など、他では味わえないものがいただけそう。


右から、このシャトーのフラッグシップであるシャトー・ルミエール2004。ブラッククウィーン2004は単一の品種としてワインに用いられるのは珍しい。地場の品種である甲州種を使った甲州シュール・リー2005はこれがファーストヴィンテージ。



株式会社ルミエール
山梨県笛吹市一宮町南野呂624
TEL.0553-47-0207
URL ; http://www.lumiere.co.jp/

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