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Media Spice!
松木直也のマイイートロード
 *** No.34


イタリアで料理修業、というだけなら珍しくもない話だが、イタリアで修業後、日本で超人気店を開いていたのに また現地に渡って料理長を務めていたスゴ腕のシェフが今年6月に店を開いた。西口大輔さん。
彼が帰国後はじめて訪れた日本の港にはどんな魚が待っていて、彼にとってどんな発見があったのだろうか?
神奈川県内でも特に水産業が盛んな横須賀。中でも日本書紀や古事記にその名が登場する走水は近海ものの宝庫。
スズキやカレイが踊っていました。


Photographs by Yukihito Hosono
  西口大輔さんはイタリアで料理修業をした後、2000年までは東京・代々木上原で「ヴォナ・ヴィータ」というレストランを開いていた。小さな店とはいえども連日満席の人気店だったのだが、突如店を閉め、再びイタリアへ。修業ではなく、自分の腕を確かめるために現地のレストランに「料理長」として凱旋したのだ。ミラノを擁するロンヴァルディア州のパヴィア県にある「ロカンダ・ヴェッキア・パヴィア”アル・ ムリーノ“」というレストラン。ここで、彼は現地の人々から大いなる賞賛を受けた。イタリア人以上にイタリアらしい料理を出すシェフ。イタリア人よりもイタリアの食材を知り、調理法も古典に至るまでを網羅した。そんな中、満を持して今年初春に帰国した彼はこの6月14日、東京・白山に新たな店を構えた。それから3カ月足らずだが、すでに連日満席。そんなイタリアの食材、料理を知り尽くしたシェフにあえて、日本の魚を語ってもらおうと、連れ出したのが横須賀・走水漁港。
 京浜急行の馬堀海岸駅からクルマで10分程度のところにあるこちらは、さして大きな漁港でもないが、近海のいい魚が揚がることで知られる。
 走水は、その名の通り、観音崎の手前あたりまでは潮の流れがとても速いことから付けられた地名とされる。最近では釣り人から「プラチナ鯵」と言われる大ぶりのアジが釣れる漁場として知れ渡ってきたが、実際、このあたりで捕れるアジやサバは全くといっていいほど臭みがないのだという。それ以外にも、マコガレイやクロダイ、カマスそしてスズキといった、いわゆる江戸前の魚が水揚げされる。そういえば、ある有名なブランド魚も実はこの走水あたりで捕れたものなんだそうだ。
  そんな話はともかく、特に今最盛期を迎えているのがスズキ。取材当日は、大潮に入ったばかりの日で、漁船の出港も少なく、漁獲量も大したものではなかったが、スズキだけは相応の量が水揚げされていた。
 スズキといえば、ヨーロッパでも高級魚として知られる。もちろん、イタリアでも珍重される魚だが、西口さん曰く「同じ名前の魚でも、向こうの魚は身がしまっていないですね。それに、根本的に食べ方が違います。基本的には魚にも火は入れますし、味付けも調味料によって左右されますね」と。特に、〆る技術などは日本の方がはるかに上だと。
  実際、魚はどのように〆、捌いた身をどのようにすればより美味しくなるのかということを漁港のすぐ目の前、漁師さんたちも通うという「よう吉」さんのご主人にお話を聞いた。そこでは、〆るために使う道具の秘密から、三枚に身を下ろした後に旨みだけを残す冷気の当て方などを伝授され、イタリアとはまるで違う魚の扱い方に西口さんも目からウロコだったようだ。ご主人とすっかり意気投合した彼は、さっそくこちらにスタッフを連れて勉強に来ることを申し出、ご主人も西口さんの店にいい魚があれば送ることを約束、ということになった。「ロンヴァルディアは内陸なので、どうしても肉類の料理が多いのですが、日本では多くのお客様から魚を求められます。今日この地で勉強したことを生かすことができれば、と思います」と。
 オープン間もなく、そして連日満席という忙しさの中、貴重な休みを使って早朝から横須賀までやってきた西口シェフ。遥か遠い異国の地で料理を素材を勉強し続けてきたシェフも、こんなに近くにまだまだ知らないことがたくさん眠っていたことを知り、開眼した、と帰りの道すがら語っていた。それだけの向上心が、旨い料理を作り、少し残念だけど、予約の取れない店にしてしまうのだろう。
 横須賀の海には東京湾ならではの魚が集まり、とても新鮮な状態のまま、私たちの食卓に運ばれる。ブランド物の魚もいいが、一度皆さんも横須賀の海に出かけてみてください。釣り船に乗って、あるいは地元の人々が通う店で舌鼓を打って。こんなに楽しく美味しい体験を身近に味わえる神奈川県が再発見できるでしょう。

西口大輔さんプロフィール

1969年東京生まれ。18歳で料理の道へ。
当初はフランス料理を志していたが、アルバイトでのイタリア料理経験から興味を抱き、西麻布の名店「カピトリーノ」などで修業。イタリアでの修業から1996年帰国し、代々木上原「ヴォナ・ヴィータ」の料理長となるも、2000年には店を畳み、再びイタリアへ。
「ロカンダ・ヴェッキア・パヴィア“アル・ ムリーノ”」の料理長を経て、今年帰国。6月14日、東京・白山に「ヴォーロ・コズィ」を開店。今、もっとも注目すべきイタリア料理人の一人。

 
 

小規模ながらも横須賀を代表する漁港。

どこにでもありそうな、小さな漁港。当日は船の数も少なかったので、漁獲量には寂しいものがあったが、日によってはスズキだけで800sも揚がることがあるという港。もうシーズンは終わりだが、マコガレイも有名で、全国的にみてもトップクラスのクオリティとプライスが付く。横須賀の市場と築地に直送されてセリが行われるため、こちらでは一般の人は魚を購入することは出来ないが、釣り船の出船場もすぐ横にある。



走水漁港(横須賀市東部漁業協同組合 走水大津支所)
神奈川県横須賀市走水2-698-4
TEL. 046-841-0680
http://www.hashirimizu-ohtu.com/
 
 
 
 
 

気軽にリーズナブルに釣りしたい。


写真には写りたくないと言っていた若船長の鈴木雅之(!!)さんと写るのならしっかりメイクすればよかったと奥さんの貴美さん。
走水の漁港には何艘も釣り船が停泊しているが、その中でも最新、最大規模17tの釣り船がこちら。平日なら3名から出航してもらえる上、費用も8,000円からとリーズナブル。竿も貸してもらえるから、ちょっと気軽に漁船で釣りということが可能。それに荒々しい海の男というよりも穏やかで優しい若船長と新婚ほやほやの奥さんのコンビが和ませてくれるというのもいい感じ。

吉明丸
神奈川県横須賀市走水2-838
TEL.046-842-4653
http://www.yoshiakimaru.com/
 
 
 
 
 

魚のことなら全てを知っている割烹。

この地で40年、地元の漁師さんをはじめ漁業関係者が足繁く通うという割烹。目の前にある走水漁港からの地物の魚はもちろんのこと、ご主人の目利きとネットワークで全国から旨い魚を仕入れる。自らもダイビングや釣りをするというご主人はまさに魚博士というべき知識の広さ、深さがある。魚好きなら、食べるだけでなく、ご主人と話しに行くだけでも楽しいはず。料理の地魚はほとんどが時価なので予約のときに確認。予算は昼3,000円、夜5,000円程度を目安に。

割烹 よう吉
神奈川県横須賀市走水2-15-6
TEL. 046-841-9341
<営業時間>
12:00〜15:00、17:00〜21:00
<定休日>
第2・第4火曜日
 
 


都営三田線の白山駅と千石駅の中間点、白山通りを少し脇に入った閑静な住宅地にあるレストラン。クラシカルで豪華な印象の内装同様、イタリアの知られざる古典的な料理法をベースに現代人の要求するクリエーションを成立させた料理が特徴。見た目は決して派手ではないが、一皿一皿が丁寧で、味付けも重層的に調和した手間のかかったものということがひと口で感じられる。ヴォーロは「飛ぶ」、コズィは「こんな風に」というイタリア語。ヴォーロ・コズィで「飛躍」を意味する。ランチ2,500円〜、ディナー6,500円〜。
今回の漁港取材からインスピレーションを受けて作っていただいた料理が「スズキのリグーリア風」(コースの中の一品。予約時に確認を)。北イタリアではトラットリアで必ずと言っていいほど見かける料理。「イタリア料理は主役を主役として味わうための料理」とはシェフ。横須賀のスズキも主役扱いされ、さぞ喜んでいることだろう。(産地は仕入れ状況により変わります)


ヴォーロ・コズィ
東京都文京区白山4-37-22 TEL.03-5319-3351
12:00〜13:30(L.O) 18:00〜21:30(L.O)
月曜・第3日曜休

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