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Media Spice!
松木直也のマイイートロード
 *** No.38


美味しいコーヒーを飲む。これは人類にとって大きなテーマである。今回は、かなり大きくでましたが、でもそうでしょ。
世界中でコーヒー豆が作られ、フランスもイタリアもアメリカにもそれぞれの飲み方があります。
そこで内田正洋さんをゲストに、旨さへのこだわりを追求しちゃう。うーんと飲んじゃう!


Photographs by Yukihito Hosono
   海洋ジャーナリストの内田正洋さんは、葉山で暮らすシーカヤックのプロ。台湾から九州、西表島から東京湾、パタゴニアにも遠征している。シーカヤックの世界に入る前は、オートバイに乗り第4回パリ・ダカールレースで三冠を手にした(2輪駆動部門、2輪駆動市販無改造部門、マラソンクラス部門)。冒険の男であり、世界中のいろいろを旅している。僕も何度か取材させてもらっているのだが、このコラムでコーヒーをテーマにしようと思ったとき、なぜか内田さんの顔が浮かんだ。いろんな国々でさぞや旨いコーヒーを、それもレストランやカフェではなく、想像もつかない場所で飲んでいるのではないかと思った。
 それはなぜかというと、昨年、内田さんはカヤックを漕ぎ仲間たちと知床周辺を旅してきた。陽が落ちる前に海から陸にあがり、野営をし食事し語り合い、寝る。野営した場所はキャンプ場とかではなく、いわゆる、海岸沿いの”そのへん“であり、これは冒険の男たちが安全を確認し選んだ場所である。そんなところでテントを張って、飲むコーヒーは、どんな味なのだろうか?
 「友人からもらったエスプレッソマシーンで、というときもあるけど、インスタントコーヒーが多いかな。ボクがパリ・ダカに出場し、そのとき立ち寄ったアフリカのリマのある田舎町で、美味しいインスタントコーヒーを飲んでしまったんだ。それは、屋台でコーヒーにコンデンスミルクをたっぷり入れたやつで、これが疲れた体にちょうどよくて、それ以来忘れられなくてさ…」

葉山の海でシーカヤックを楽しんだ後、ちょっとコーヒー・タイム。これ旨いっしょ。内田さんの場合、モンベルのコーヒーマグを利用。汐風もここちよく、街のカフェとは一味違うリラックス。ミルク+シュガーで疲れもふっとぶ。
  アフリカでは、インスタントコーヒーの方が高価だったりして、日本人がエチオピアやケニア、タンザニアのコーヒー豆を愛好するみたいな感覚よりも、加工という手間のかかったインスタントの方がリッチなのだろう。
 「コーヒーは好きだよ。なくてはならないものだね。例えばハワイに行ったら地元のハワイ・コナを必ず買ってきます。ハワイは僕の祖母が産まれたところであり、コーヒーの袋を空けるたびに、うちのおばあちゃんもこれと同じやつを飲んでいたんだと思うと、なにか嬉しくなってしまうし、当時、こんな旨いのを飲めてよかったという気持ちもあります」
 内田さんの曾おばあさんが移民でハワイに渡り、娘さんであるおばあちゃんはハワイで生まれ育ったのである。ちなみに、内田さんは、そういったご縁からかハワイとのつながりが深く、現在ホクレア号(ハワイの古代航海術を再現した原始的なカヌー。2007年1月に日本に向けて航海がスタートした)の世話役をしている。横浜には6月中に着く予定だ。
 さて、今回はシーカヤックに乗ってコーヒーを、ということになった。どんな味わいなのだろうか。
 いつものようにトレーニングをして、それを終えてから海上でのコーヒータイム。出発前にエスプレッソマシーンにちょっと軽めにハワイ・コナを入れ、愛用のモンベルのコーヒーマグにコーヒー&ミルク&シュガーを入れておいた。ハワイ・コナは世界でも有数のマイルドコーヒーといわれている。確かにいれたてではないが、コーヒー独特の苦味とコクが、そしてミルキーな甘みが、身体全身をリラックスさせるのだろう、思わず笑みを浮かべる。
「このコーヒーは、朝、目を覚ましてすぐが旨いんだ。もちろんブラックのときもあるけど、ちょっと疲れているときはコンデンスミルクにしてみたり、元気をくれるんだよね」
 コーヒーは、最近なぜかブームになっている。それはきっと自分なりの味をみんなが求めているからだと思う。ロースト、グラインドの仕方、また、いれ方、やり方で味が随分と違ってくる。それとやっぱり、コーヒーをいれるという、ゆっくりとしたヒトトキがここちいい。内田さんは、晴れた日も雨の日も、朝、コーヒーを飲みながら海を見ている。

内田正洋さんプロフィール

1956年長崎県大村市生まれ。日本大学水産学科卒。カッター部に所属。1982年から10年間パリ・ダカール・ラリーに参戦。その後、もともと海洋に興味があったことからシー・カヤッカーに。日本では先駆者的な存在になる。雑誌『ターザン』(マガジンハウス)に連載中。


内田さんの自宅のテラス。カヤックが置いてあり、海岸で見つけたガラスなどが。もちろん海を望み、朝はテーブルでコーヒーを入れることから始まる。

内田さん愛用のエスプレッソマシーン。友人からの贈りモノで、カヤックで遠出をするときも持参。キャンプ時にも利用。これも旨い。


お気に入りの豆はハワイ・コナ。酸味がほどほどで滑らかな味がお気に入り。ブラックもいいが、ミルク&シュガー入りもよく飲む。
 コーヒーの通は、やはりドリップというのだが、サイフォンもすてたものではない。ということでこのコーナーを設けたのです。ドリップもペーパーよりもネルの方がコクがあり、それは美味しいけど、コーヒーをいれている楽しさはサイフォンが上(だと思う)。理科の実験風でもあり、ドリップみたいにあまり神経を使わないで済む。朝、仕事場でサイフォンに豆を入れ、下のお湯がゴボゴボ沸騰しているとき、今日も頑張ろうではないか!というゴボゴボのリズムがいいのです。もちろん旨いよ。

コーヒーの楽しみはカップにあり。ファイヤーキングのポップなものから、ノベルティ風のものと、こんなところでこけしも似合う。

ドリップコーヒーはペーパーと布がある。布の方がコクのある仕上り。豆はサイフォンに比べ粗挽き。お湯は93〜95°ぐらいがベスト。

サイフォンコーヒーはパフォーマンスが楽しい。ドリップに比べたらやや軽い仕上りだが、しかし深煎りの豆だとバランスのいい味が…。

松木オススメのお店が<珈琲問屋・横浜西店・045-315-0198>ブレンド・ロースト・グラインドの指定が自由自在。お店の人が親切で嬉しいぞ。

世界中から集められた個性あふれるコーヒー豆が買えるのが横浜・白楽にあるTERA COFFEE。東ティモールとエチオピアがオススメ。

 
 
●実はコーヒーのいろいろを教えてもらっているのがTERA COFFEEのオーナー寺嶋典孝さんからで、ドリップの入れ方やローストなど、本当にコーヒーは奥が深い。おいしいパンも売ってます。




TERA COFFEE
神奈川県横浜市神奈川区西神奈川3-2-10
TEL 045-481-7805
営業時間 11:00〜20:00
定休日 月曜日・第3火曜日
 
 

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