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Media Spice!
松木直也のマイイートロード
***No.42


お米マイスター西島豊造さんの
「おいしいお米のエトセトラ」

ここ数年、日本のお米業界が急激な盛り上がりを見せている。 “お米博士”こと西島豊造さんは、「お米の栽培技術が年々高まり、 日本全国の産地で高品質なお米が作られるようになりました。 もはやお米は、産地やブランドで選ぶのではなく、個性を楽しむ時代になりつつあり ます」と語る。 そこで早速、最新のお米事情についていろいろ探ってきました。

Photographs by Yukihito Hosono

お米マイスター西島豊造さん  突然ですが、みなさんはお米の銘柄をどのぐらいご存じですか?有名どころでいえば、「コシヒカリ」、「ササニシキ」、「あきたこまち」、「ひとめぼれ」。最近ぐんぐん人気をのばしているのが、「はえぬき」、「きらら397」、「ヒノヒカリ」といったところ。さらに、「あっぱれむさし」、「千秋楽」、「森のくまさん」、「ほほほの穂」…、などなど、「ナゼ?」と訊きたくなるようなネーミングのモノも世の中には意外とたくさんあるのだが、まあいいか。
  さて、現在お米の銘柄は日本だけでも500種類を超え、今も新しい品種が続々誕生しているというのです。では、これからはどのようにお米を選ぶべきなのだろう?西島さんにお伺いした。
  「まずは、おいしいお米を見極められるようになりましょう。スーパーでもお米屋さんでも、お米を買うときは値段やブランドにかかわらず、粒の大きいものを選んでください。現在は、小粒のものよりも大粒のもののほうが炊きあがりがきれいなんです。また、粒が大きいということは、かなり丁寧に作った証拠でもあるんですよ」
  ”見極める“なんて聞くと、さぞや難しい作業が待っているのでは?などと思ってしまう私であったが、意外とカンタン。
  ただし、おいしいお米を手に入れたからといって満足はできない。お米は、おいしく炊けなきゃ意味がないのだ。
  「研げば研ぐほど炊きあがりがおいしくなると思われがちですが、実はお米は、研げば研いだだけ旨みもなくなってしまうんです」と西島さん。これ要注意。
  お米を研ぐといえば、水がきれいに透き通るまでひたすらゴシゴシ…、というイメージが強いのだが、それは間違いなのだそうだ。では、理想的なお米の研ぎ方とは?
  「お米は冷やすことで痛んだ部分だけが浮き上がるので、必ず冷蔵庫(野菜室)で保存するようにしてください。お米が冷たい状態のまま研げば、軽くかき混ぜる程度で余分な汚れが剥がれ、あっという間に水もきれいに澄みます。この方法であればお米を研ぐのに2分もかかりませんし、炊きあがりも全然違いますよ」
  アン・ビリーバブル。そんな手があったんですね。みなさんも早速、どうだろう。
  ところで、「お米マイスター」五ツ星の資格を持つ西島さんは、”お米のソムリエ“としても有名なお方。そこで、お米を楽しむための高度なテクニックも教えていただいた。
  「お米の味や硬さ、大きさ、粘り具合などによって、料理との相性は大きく変わります。料理に合わせてワインを選ぶように、料理ごとに使用するお米を変えれば、楽しみ方は無限に広がりますよ」
  例えば、おにぎりには「はえぬき」、チャーハンには「花キラリ」、カレーには「ふさこがね」、丼モノには「ヒノヒカリ」と、料理ごとに相性のいいお米はバラバラ(詳しくは次ページを見てね)。さらに、卵かけご飯には「コシヒカリ」、お弁当には「彩のかがやき」、朝ご飯には「まっしぐら」…など、話はどんどん具体的に。お米の世界は奥が深いのだなあ。西島さんもお米にまっしぐらだ。
  「現在はお米の栽培技術が改善され品種も良くなったので、ブランド力が低下して日本中の産地が横並びになっています。そのため、生産者の方々も、他の産地よりおいしいものを作ろうと必死に開発を進め、それぞれの個性をいかしたお米を作る努力をしているんです。あと4年もすれば、生産者たちが手塩にかけて育てたこだわりの新品種が、全国各地から一斉に登場します。お米の新たな時代の到来は、もう目の前ですよ」
  最後に西島さんは、嬉しそうにこう語ってくれた。
  昨今、日本人のお米離れが叫ばれている。でも、今回西島さんにお話をお伺いして、おいしいお米を食べられることの喜びやありがたさを再確認したのであった。トースターでパンが焼けるときの匂いももちろん好きだが、やはり炊飯器をあけた瞬間の、あのいい匂いと温かい湯気、そしてお米のツヤツヤとした輝きは、私たち日本人にとっては最高のシアワセなのである。
  さあ、”お米新時代“。みなさんもおいしいお米に感謝して、存分にお米の個性を楽しんでくださいませ。
 
PROFILE
西島豊造さんプロフィール
1962年東京都生まれ。五ツ星お米マイスター。米穀専門店『スズノブ』を経営する傍 ら、その膨大な知識をいかし、“お米博士”、“お米のソムリエ”として料理学校、 小学校などでの講義、さらにテレビや雑誌にも多数出演をこなす。著書に『ごはん革 命』(道出版)、『今日はこの米!』(NHK出版)。


西島流・おいしいお米の炊き方
西島流・おいしいお米の炊き方
西島流・おいしいお米の炊き方
西島流・おいしいお米の炊き方
西島流・おいしいお米の炊き方

1.お米は常に冷蔵庫の野菜室に保存します。

2.研ぐ直前に炊く分量のお米を冷蔵庫から取り出し、お米が冷たいうちに研ぎます。 手の甲で力強く押すようにしてギュッギュッは禁物。あくまで軽くかき回す程度で。

3.お米を研ぎ終えたら、すぐに炊飯器へ。浸水、ザル上げなどの作業は不要で、水の量は炊飯器の目盛り通りがベスト。ちなみに炊飯器は、少なくとも玄米を炊く機能がついているぐらいのものを使いましょう。

4.現在の炊飯器は、炊きあがりまでに蒸らしの時間も含まれているものがほとんどなので、炊きあがったらすぐフタをあけてシャリ切りを。

5.お茶碗によそえば、ツヤツヤのおいしいご飯が完成。

西島流・おいしいお米の炊き方

「米(マイ)スターボール」
今回撮影で使用したのが、西島さんが洗米のために考案したというその名も「米スターボウル」。内側にエンボスがついているので、かき混ぜるだけで通常の2倍以上の摩擦が起き、あっという間にムラなくお米が研げます。さらに、水切り穴や底部分のシリコン加工など、細部に至るまでの気遣いがいかにも西島さんらしい。パスタの湯切りや和え物などにも最適。『スズノブ』の店頭、または通販で買えますよ。
米(マイ)スターボール



料理に合わせて、お米を変えちゃう

料理に合わせて、お米を変えちゃう
おにぎりなら… 「はえぬき」(山形県)
粒が大きくて弾力がある「はえぬき」は、おにぎりにピッタリ。力強く握ってもお米 とお米の間に空気が入るので、誰でもふっくらおいしく握れます。その他「コシヒカ リ」、「夢ごこち」などもオススメ。今回の具材は鮭。お米にこだわるのなら、具材 にもこだわりを。
おにぎりなら… 「はえぬき」(山形県)
卵かけご飯なら… 「鈴ひかり」(長野県) 卵かけご飯なら… 「鈴ひかり」(長野県)
卵の甘みや醤油の味にも負けないお米界の大横綱「コシヒカリ」が最適。中でも、弾 力も兼ね備えた「鈴ひかり」はベストマッチ。ただし、時間のない朝にササッとかき 込む、という場合には、逆に「まっしぐら」(青森)など、なるべく味の薄いお米を 選びましょう。
カレーライスなら… 「ふさこがね」(千葉県)
ガッツリ食べてももたれないのが魅力。カレーはついたくさん食べ過ぎちゃって後悔 しがちですが、このお米なら思う存分食べられます。スープカレーの場合には、サクッ とした食感の「ななつぼし」(北海道)がオススメ。サラサラと喉を通っていく感じ が最高です。
カレーライスなら… 「ふさこがね」(千葉県)
チャーハンなら… 「花キラリ」(福井県) チャーハンなら… 「花キラリ」(福井県)
粒が大きく粘りがないのが特徴。火の通りや食感がよいので、炒めることでその実力 を発揮。ちなみに、某有名中国料理店のチャーハンもこのお米を使用しているらしい。 ただ、割と値段が高いので、たくさん作るときには「きらら397?北海道)でもOK。

苦労人・松木直也の「おいしい親子丼の作り方」
 上ではおにぎり、卵かけご飯、カレー、チャーハンを紹介したが、もうひとつ、ご飯をおいしく食べるために欠かせないものがある。そう、それは丼モノである。そこでここでは私、松木直也が苦労していた頃(今でも苦労してるんだけどね)によく作っていた、カンタンにできる親子丼の作り方をご紹介。これがけっこうイケるので、ぜひ試してみてくださいね。
おいしい親子丼の作り方 おいしい親子丼の作り方 おいしい親子丼の作り方
用意するものは、卵2個と玉ねぎ(中)半分、焼き鳥の缶詰。あとは麺つゆやお酒、みりんなど、ダシを作る材料だけあればOK。 酔っぱらって帰ってきた夜にダシを作り(薄めに)、あらかじめカットした玉ねぎと 焼き鳥の缶詰を煮詰めて味をしみ込ませておきましょう。卵は食べる直前に入れます。 ご飯にのせて出来上がり。意外と見た目もしっかりしてるでしょ。ポイントは、前日の夜に玉ねぎと焼き鳥の缶詰を煮詰めておくこと。これさえ守れば、誰でもおいしく作れます。

スズノブ本店

スズノブ本店
東京都目黒区中根2-1-15
TEL.03-3717-5059
<営業時間>
7:30〜20:00
<定 休 日>
日曜・祝日

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