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松木直也のマイイートロード
***No.56

『オテル・ドゥ・ミクニ』オーナーシェフ 三國清三さん&『ミクニヨコハマ』料理長 難波秀行さんの
『日々是野菜盛り沢山主義!』

三國清三さんは、ご自身の夢を「一般の人が虫食い野菜に興味を持つこと」だと語る。
そして、昨年三國さんと出会い、現在『ミクニヨコハマ』の料理長を務める難波秀行さんも、
神奈川の生産者や食材との会話を何より大切にしている。
お二人と食材の間には、いったいどんな出会いやドラマがあるのだろう?
それを探るべく、今回は難波シェフと一緒に神奈川の畑へ。
我々がもっともっとランチを楽しむための大きなヒントを得ることができました。

写真:坂田 隆

『オテル・ドゥ・ミクニ』オーナーシェフ 三國清三さん&『ミクニヨコハマ』料理長 難波秀行さん


 2010年、三國清三さんがオーナーシェフを務める『オテル・ドゥ・ミクニ』は25周年を迎えた。また、今年は三國さんが食育活動をはじめて10年目。この10年の中で三國さんが行ってきたことは、子どもたちとの味覚教室、全国の生産者たちとのいろんな活動、地方でのお食事会など多岐に渡る。

  さらに、2009年に丸の内にオープンさせた『ミクニマルノウチ』では、東京での地産地消をテーマに江戸東京・伝統野菜に注目。横浜にある『ミクニヨコハマ』も、横浜市から「横浜地産地消サポート店」に認定されるなど、常に様々な行動を起こしている。

  私も『ミクニヨコハマ』には何度かお邪魔していて、先日もランチをいただいたのですが、大根やブロッコリーなどの野菜、多種多様なハーブ、デザートの苺といった神奈川食材が大いに気になった。 

  厨房で腕を振るうのは、昨年3月までフランスで料理修業をしていた難波秀行シェフ。36歳とお若いが、帰国して三國さんと出会い、1年足らずで『ミクニヨコハマ』の料理長に抜擢された人物だ。どんな人かというと、「時間を見つけては生産者の畑に行き、食材を両手いっぱいに抱えて帰ってくる人」(スタッフ談)らしい。 ということで、今回は難波シェフにお願いして生産者の畑に同行させていただいた。

  一緒に伺ったのは、川崎市にある『木所ファーム』。ご主人の木所晴美さんは、奥さんと二人で年間100種類ほどの野菜やハーブを育てている。

  畑に到着し軽く挨拶を済ませると、すぐにビニールハウスのほうへと足を進める難波シェフ。が、このあと意外な行動に出る。難波シェフはハーブを栽培しているハウスには入らず、ハウス横のいわゆる“そのへん”で何かを摘みはじめたのである。

「ハウスの中以外にも、いろんなところにハーブが自生しているんですよ。ホラッ、ここ。ミントがあるでしょ。で、あそこにはルッコラ。畑のほうにもローズマリーやフェンネル、オレガノなどがあります」と難波シェフ。めちゃめちゃ詳しいのだ。

  さらに驚いたのが、難波シェフは木所さんとそれほど多くの言葉を交わさないし、木所さんもまた難波シェフに食材をアピールしようとはしない。難波シェフが 「○○とってきまーす」と言うと、木所さんは「どうぞー」とだけ返事をし、自分は黙々と畑仕事を続ける。きっと木所さんには「口で説明するより、まずは自分が作ったものを食べてほしい」という職人気質があり、難波シェフはそんな木所さんの仕事の邪魔にならないよう配慮しているのだろう。お二人の様子に、一本筋の通ったいい関係を感じた。

「木所さんご自身は控えめで口数も少ないんですが、木所さんが作る食材はとにかく口数が多い(笑)。皮も味もしっかりしていて、『どう料理してくれるんだい?』って主張してくるんです」と難波シェフ。

  その後、『ミクニヨコハマ』に移動し、そんな “口数の多い”食材を使って2品の料理をお作りいただいた。いずれも「食材がレシピを決める」という難波シェフの言葉通り、素材が生き生きとしていて見た目もとても美しい。特に感動したのは、料理にキャベツの花を使用している点だ。

  キャベツに花が咲く=育ちすぎて食べ頃を過ぎたということ。当然出荷はできないから、生産者にとっては“咲いた”ではなく“咲いてしまった”ということになる。が、難波シェフはそれを料理のアクセントとして見事に活かした。そこには、生産者が日頃どんな思いでキャベツを作っているのかを肌で感じているからこその、生産者の心をムダにしてはいけないという思いがある。そして、そんなシェフの心意気が生産者のモチベーションの向上にもつながり、さらに良いものを作る原動力となっていく。

「僕は食材をよく人に例えるんですが、人と知り合うとその人の生まれ育ちに興味が湧くし、親しくなると『今日元気ないな』とか『いいことあったな』って分かるようになりますよね?食材も同じ。だから、畑で生産者や食材と話をすれば自ずと料理の方向性が決まるんです。家庭の食卓でも、形や色はキレイだけど誰が作ったか分からない食材より、多少見た目が不格好でも、手元に届くまでにどんな過程を歩んできたか分かっている食材のほうが料理をしていて楽しいし、新しい発見もあると思いますよ」。

  近年、「エコ」や「環境問題」が叫ばれて久しい。もちろんそれはいいことだけど、例えば「エコバック持って買い物に行くけど、キャベツのいちばん外側の葉や大根の葉は捨てる」では、肝心な部分が抜けているような気がする。キャベツや大根の葉をムダにしないためにどうするか?と一人ひとりが考えることが大切であり、そのヒントは、出会いや会話の中から見つけ出せるはず。生産者と出会い、食材の生い立ちを知れば、自ずと「塩揉みしよう」とか「浅漬けにしよう」という知恵がドンドン生まれる。

  難波シェフのように畑に足しげく通うのは無理でも、神奈川には生産者と出会える場所がたくさんある。野菜の直売所や漁港に行ってみるのもいいし、気になるレストランに行ってシェフと話をするでもいい。そこに何か信頼できるストーリーが生まれれば、食事の楽しさは無限に広がっていく。

  さあ、春は新しいことを始める季節。まずはできることから行動を起こして、せっかくの休日ぐらいは自分なりの楽しみ方でランチを満喫しましょうぞ。

PROFILE

三國清三さん
1954年北海道生まれ。帝国ホテルで修業。20歳で駐スイス大使館の料理長に。退任後、数々の三ッ星レストランで精進を続ける。世界各国の一流ホテルでミクニフェスティバルを開催。プロの料理人の育成や子どもの味覚育成に取り組んでいる。
難波秀行さん
1974年岡山県生まれ。18歳で料理の道を志し、広島、東京での修業を経て渡仏。ブルターニュのニッ星レストランやパリの三ッ星レストランなどで修業ののち帰国。三國清三シェフと出会い、現在は『ミクニヨコハマ』の料理長を務める。


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Vegetable   木所ファームで出会った“口数の多い” 食材たち


木所ファームで出会った“口数の多い” 食材たち
畑の脇では、とても立派なローズマリーが勝手に育っている。「若い芽よりも、成長したもののほうが香りが青くさくなくていいんですよ」と難波シェフ。
 
木所ファームで出会った“口数の多い” 食材たち
ローズマリーのスポットからほんのちょっと歩いたところには、ミントの大軍勢が。根をしっかりと張るので、辺り一体がミントばかりになるそうです。
木所ファームで出会った“口数の多い” 食材たち
同じく畑の脇にて、月桂樹も発見。指で揉んで匂いを嗅ぐと、甘ーい香りがふわっと広がりました。
 
木所ファームで出会った“口数の多い” 食材たち
ビニールハウスと壁の間の幅1mもない路地で、またまたミントをゲット。ハウスのすぐ横なので風の影響を受けにくいためか、ここのミントがいちばん成長してました。
木所ファームで出会った“口数の多い” 食材たち
ビニールハウスの中で栽培されているアイスプラント。名前の由来は、葉の表面が凍ったように見えることから。
木所ファームで出会った“口数の多い” 食材たち
難波シェフは木所さんの畑に週に1回ほどのペースで足を運んでいる。取材に伺ったのはちょうど春野菜から夏野菜に植えかえの時期で、野菜自体はそれほどなかったが、ソラマメやスナップエンドウなどが植えられており、木所さんのお話から難波シェフはいろいろと料理のアイデアを膨らませていた。
 
木所ファームで出会った“口数の多い” 食材たち
「アラ、まぁキレイなお花?」と思ったアナタ、何の花か分かります?実はコレがキャベツの花。ハクサイ、小松菜などアブラナ科の野菜はこのように黄色い花が咲きます。
木所ファームで出会った“口数の多い” 食材たち
この日はあいにくの雨でしたが、難波シェフは「傘なんざ不要ですぜ!」と言わんばかりに凄くワイルドにキャベツの花を摘み取る。水も滴るいい男…、モテるんだろうな。
木所ファームで出会った“口数の多い” 食材たち
かなり手慣れた様子で、あっという間にキャベツの花を摘み終えた難波シェフ。両手で大事そうに花を抱えて、ご満悦のこの表情。
 
木所ファームで出会った“口数の多い” 食材たち
摘み取った食材をひとつひとつ丁寧に持参した袋に。「何か手伝ったほうがいい?」と放し飼いのニワトリが言っているような気がした。
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Vegetable   食材との会話でレシピが決まる

こちらの料理は『ミクニヨコハマ』で味わえます!※ 詳しくは下記をご覧ください。
ノルウェーサーモンの自家製マリネ シェフ手摘みのハーブサラダミントのカプセル添え
ノルウェーサーモンの自家製マリネ シェフ手摘みのハーブサラダ 
ミントのカプセル添え

「食材を活かすお手伝いをする」という難波シェフの料理コンセプトから生まれたオードブル。木所さんの畑のハーブの力強さをシンプルに、そしてダイレクトに味わえるようサラダ仕立てに。肉付きも脂ののりもいいノルウェーサーモンのマリネとともに。
 
横浜中央卸売市場から届く鮮魚と木所さんのキャベツのスープ仕立て 春の装い
横浜中央卸売市場から届く鮮魚と
木所さんのキャベツのスープ仕立て 春の装い

適度に下ゆでした硬すぎず、やわらかすぎずのキャベツで季節の鮮魚を包み、色鮮やかなキャベツのソースでスープ仕立てに。さらに彩りとしてキャベツの花を添えるという、難波シェフの食材への敬意と料理に対する姿勢を象徴する一品。(取材の際に難波シェフが使用した魚は本牧のスズキ)
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『ミクニヨコハマ』のランチコースでご賞味あれ!
今号の『メディア・スパイス!』の発行期間中(4月25日〜6月24日)、『ミクニヨコハマ』の3,600円のランチコースのオードブルとして「ノルウェーサーモンの自家製マリネ シェフ手摘みのハーブサラダ ミントのカプセル添え」をご提供いたします。
※ 使用するハーブ(6〜10種類)は、時期により異なります。
※盛り付けは変更になる場合もございます。



     
神奈川の食材を活かした最先端のフランス料理
フレンチ=肩の凝りそうな料理という印象をお持ちの方、まだまだ少なくはないと思いますが、『ミクニヨコハマ』のランチはとってもカジュアルに楽しめます。「お子さまを学校までお見送りしたあとご友人と立ち寄ったりとか、ちょっと買い物ついでに寄るとか、何かの延長上で気軽にランチを楽しんでいただきたいですね」と難波シェフ。昨年までフランスで腕を磨いた難波シェフの最先端のフランス料理で、神奈川の食の魅力を再発見!
ミクニ ヨコハマ ミクニ ヨコハマ ミクニ ヨコハマ
<住所>横浜市西区高島2-19-12
ヨコハマスカイビル29階
<電話>045-442-0430
<営業時間>
ランチ11:30〜15:00(L.O. 14:00)
ディナー17:30〜22:00(L.O. 21:00)
<定休日>無休

http://www.oui-mikuni.co.jp
     

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店内のインテリアにも使っちゃう!


『ミクニヨコハマ』の店内には、神奈川県産の野菜やハーブ、さらに小松菜、カブ、キャベツなど季節の野菜の花がキレイにディスプレイされている。それらはすべて、難波シェフ自らが摘んだものを自ら飾っている。「ひん曲がったきゅうりとか、絡み合った状態の人参など、市場には出せない食材を生産者の方々からいただくんですが、彼ら(野菜)が本当に輝いているんです。また、野菜の花もどうせ摘み取られるのであれば飾っちゃえと。そうしたらどんどん増えちゃいました(笑)」。ちなみに、取材前日には大根の花を飾ったとか。「大根の花は昨日は横を向いてたんですが、今日の朝見たら縦になっていたんですよ。面白いでしょ?」。そう嬉しそうに語る難波シェフの表情から、食材への深い愛情がひしひしと伝わってきました。  
ミクニ ヨコハマ  
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