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Media Spice!
松木直也のマイイートロード
***No.57

シンガー・ソングライター 辻 詩音さんの
「夏だから美味しさがコウナッタ! -神奈川野菜の底力-

いやー、時の流れというのはホントに早いもので、
この『マイ・イート・ロード』にも遂に平成生まれのゲストがご登場です。
辻詩音さんは、今年20歳を迎えた横浜出身のシンガー・ソングライター。
音楽に一途で、同年代の女性を中心に多くの共感と注目を集める辻さんを
平塚の畑にお連れし、さらには料理まで作っていただきました。

写真:坂田 隆

シンガー・ソングライター 辻 詩音さんの「夏だから美味しさがコウナッタ! -神奈川野菜の底力-」


 辻詩音さんは、横浜出身の若きシンガー・ソングライター。2008年に18歳でメジャーデビューを果たして以降、デビューシングルが全国のラジオ・テレビ46局のパワープレイを獲得したり(10代女性ソロアーティスト史上最多記録)、「第2回レコ直♪新人杯」でグランプリに輝くなど、その才能を遺憾なく発揮している。

  第一印象は、元気と若さ溢れる明るい性格で、笑顔が素敵。また、“詩音”という名前が芸名ではなく本名であると聞いて驚いた。…が、その名前を付けたお父さんが44歳だと聞いてもっと驚いた。

  今回はそんなフレッシュな辻さんに、フレッシュな神奈川野菜を使って料理を作ってもらうことにした。ただ、幼い頃から音楽一筋の辻さんに本格的な料理の経験はほぼ皆無。そこで、平塚のフレンチレストラン『マリー・ルイーズ』の尾鷲幸男シェフにお力添えをいただいた。

  尾鷲シェフは、平塚で25年以上に亘り温故知新の心を大切にしたフランス料理を提供している。また、地元での料理教室も積極的に開催しており、“作る”だけでなく“教える”ことにも定評がある。

  お店に伺うなり「まずは野菜をとりにいきましょう」ということになり、尾鷲シェフも含めた“辻詩音&オーバー・ザ・オトーサンズ”の一行は、お店から車で30分ほどの「てるてる農園」を目指した。

「てるてる農園」の臼井照彦さんは、農業大学を卒業して一度は企業に就職するも、4年前に“脱サラ”をして農業を始めた生産者。男前で活気に溢れ、“やる気マンマン”という言葉が似合う。しかも話が上手で、辻さんに「おいくつですか?」と聞かれると「(昭和)42年生まれの42歳。元プロ野球選手の清原と同い年で福山雅治は1コ下!」と笑いを誘う。「なるほど、そういう手があるのね!」と“郷ひろみ、野口五郎と同学年!”の私は深く関心したのですが、それ以上に関心したのが、農業に対する志の高さである。

  臼井さんは、最近注目されている自然栽培を積極的に取り入れており、畑は無農薬で雑草が共生。堆肥も野菜クズから作っている。また、収穫したニンニクの葉を虫除けとして畑にまいたり、収穫を終え2m以上に伸びたオクラの木を処分せず、そこにスナップエンドウのツルを這わせるなど、自然のサイクルを大切にしている。

  さて、辻さんはというと、臼井さんの説明を受けながら人生初の野菜の収穫にトライ。で、とりたてを口に運ぶ。特にスナップエンドウが気に入ったようで、「笑っちゃうほど美味しい!」と歓喜の声を上げていた。

  その後、お店に戻って料理を開始。挑戦してもらうのは、フランス南西部地方の家庭料理「ガルビュール」。

  尾鷲シェフのご指導のもと、野菜を切ったり、鍋を振ったり、盛り付けをしたりする辻さんの様子はとても微笑ましく、またそのひとつひとつに驚き感動する姿を見て、
「やっぱり料理は楽しく作らなくちゃ!」と当たり前だけど凄く大切なことを再確認することができた。

  そして料理が完成。まずは辻さんが試食。しばしの沈黙ののち、「私、料理人になれるかも!」と目を輝かせた。その様子を見た尾鷲シェフは「一度料理を教えただけだけど他人とは思えない。娘みたいだよ(笑)」とにっこり。すると辻さんは「私ここで働きたい(笑)。バイトが必要だったら言ってください!」と語り、スタッフの爆笑とマネージャーさんの苦笑を誘うのであった。

「料理を作るということで、実はいろんな人に心配されてたんです(笑)。でも、プロのシェフにひとつひとつ教えてもらって作ったら、本当に美味しくて感動しました。凄く前向きな気持ちになれましたね!」

  ところで、辻さんは15歳のときに通っていた高校を中退し、アテもない音楽の世界に飛び込んだ。高校に通いながら音楽も、という選択肢はなかったのだろうか?
「学校に通いながらだと、『まあいいか』っていう気持ちになってしまいそうな気がして。だから逃げ道をふさいで音楽しかできない状況に自分を追い込んで、そのうえで音楽と向き合いたかった。学校を辞めたあとは、アルバイトをしながら自分でいろんなライブハウスに電話して『歌わせてください!』って。やっぱり私は音楽が大好き。音楽がないと生きられないんですよ(笑)」

  そういえば、畑で臼井さんがこんなことを言っていた。
「普通の畑は、作物の成長を妨げる草を除去するために農薬をまき、作物の成長を促すために肥料をまく。でも僕の畑の場合は逆。草がなくなってしまったら肥料が必要になるんです。草が毎年豊かに育つことが、土が本来の力を発揮してる証拠ですから。森や山の木々は農薬や肥料をまかずとも自然に成長してるでしょ?大切なのは、土の上じゃなくて土の中。土壌がしっかりしていれば、野菜は立派に育ってくれると信じています」

  これは人間も同じである。ミュージシャンの辻さんと生産者の臼井さん、職業は違えど2人とも好きなことに一途。また、どんなことがあってもそれを続けていくという決意と覚悟があり、そのしっかりとした土壌の下には、そんじょそこらのことでは折れたり枯れたりしない、その名の通り“底力”が宿っている。だからこそ、そこにまく種は立派な芽を出し、ときにはキレイな花を咲かせ、多くの人に喜びや感動を与えるのだろう。

  そして私たちは、そのような人たちが作り上げるものに触れ、刺激や感動を受けることで、それを自分の土壌の肥やしにすることができる。

  さあ、ときまさに夏。活動的な季節。野菜、料理、音楽…、皆さんもいろんなものに興味を持って刺激を受けて、自分の土壌にどんどん栄養を与えてくださいませ。

PROFILE

辻 詩音さん
1990年横浜市生まれ。幼少の頃から詩を書き始め、ノートに綴ったストックは現在までに50冊以上。2008年11月にシングル『Candy kicks』でデビュー。その2ヶ月後にはセカンドシングル『Sky chord〜大人になる君へ〜』をリリース。昨年発表した4枚目のシングル『ほしいもの』では小雪主演映画『わたし出すわ』の主題歌を担当するなど、次世代女性シンガー・ソングライターとして注目を集めている。


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“笑っちゃうほど美味しい”てるてる農園の野菜たち


尾鷲シェフは臼井さんのことを信頼し、お店でも「てるてる農園」の野菜を使っている。「普段どれくらいのペースで畑に来るんですか?」と尋ねると、「心がカサついたときに来ますね(笑)。ささくれをとりに来るような感じかな」との答えが返ってきたのですが、実際に畑にお邪魔して納得。目の前にのどかな田園風景が広がり、同じ市内でありながら平塚駅周辺とは空気も時間の流れ方も違う。そんな気持ちのいい場所でした。
<「てるてる農園」臼井さんのブログ> http://blogs.yahoo.co.jp/ginpachi123
シンガー・ソングライター 辻 詩音さんの「夏だから美味しさがコウナッタ! -神奈川野菜の底力-」
臼井さんが取り組んでいる自然栽培とは、ひと言で言えば「農薬や肥料を使わず除草もしない、自然の力のみで作物を育てる」という農法。そう聞くと「農薬代も肥料代も浮くしラクじゃん!」とお考えの方も多かろうと思いますが、もちろんそんなに甘いもんじゃない。肥料を使わない=作物を大量に作ることはできないし、除草もせず自然の力に任せる=まったく芽が出ない、あるいは芽が出ても収穫前に全部枯れてしまうという可能性も大いにある。そんなリスクを背負いながらも、臼井さんは野菜たちを信じて今日も元気に畑仕事に励んでいる。

シンガー・ソングライター 辻 詩音さんの「夏だから美味しさがコウナッタ! -神奈川野菜の底力-」

スナップエンドウ
辻さんが特に気に入ったスナップエンドウ。噛めば噛むほどに甘みが口の中にジュワッ、ジュワッ。これはホント旨いよ。

 
シンガー・ソングライター 辻 詩音さんの「夏だから美味しさがコウナッタ! -神奈川野菜の底力-」
タマネギ(冬穫り)
一時的に親指大で収穫したタマネギ。臼井さんは新タマネギを冬に収穫しようと試みているのです。
シンガー・ソングライター 辻 詩音さんの「夏だから美味しさがコウナッタ! -神奈川野菜の底力-」
ソラマメ
「ソラマメは茹でなアカンのとちゃうん?」と思ったでしょ。でも、新鮮なものはもちろん生で食べられます。
 
シンガー・ソングライター 辻 詩音さんの「夏だから美味しさがコウナッタ! -神奈川野菜の底力-」
葉付きミニ人参
畑から抜いて土を洗い流してその場でいただく。人参の味が濃く、食感もバツグンでした。
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“いちいちオシャレ”な
「湘南野菜たっぷりのガルビュール ポークを添えて」


「ガルビュール」とは、フランス南西部で愛されている野菜が主役の田舎スープのこと。大西洋岸南西部という広い範囲の地方料理なので、日本のお雑煮が地方によって微妙に異なるのと同様、地域ごと、家庭ごとにさまざまなレシピがあります。ちなみに、盛り付けの方法を教えているとき、尾鷲シェフは辻さんから「いちいちオシャレ」と最上級の賛辞(多分ね)を送られてました。 シンガー・ソングライター 辻 詩音さんの「夏だから美味しさがコウナッタ! -神奈川野菜の底力-」
シンガー・ソングライター 辻 詩音さんの「夏だから美味しさがコウナッタ! -神奈川野菜の底力-」 【材料】(5人前)
ラード(またはバター)…50g、ニンニク…2カケ
タマネギ…300g、ベーコン…150g
キャベツ…200g
ブイヨンかコンソメ(顆粒タイプでもOK) …1200cc
落花生(茹でたもの)…100g
鷹の爪(一味唐辛子でもOK)…適量
ブーケガルニ(タイム、ローリエ、白粒胡椒)…小1袋
湘南野菜(人参、ソラマメ、スナップエンドウ、さやえんどう、葉付き小タマネギ、ラディッシュ、小蕪などお好みで)
ポーク(できれば白ワインとブイヨンで3時間程煮ておこう)※鶏肉やハム、ソーセージでも代用可能

油断大敵!
料理は「慣れてきたかな」と思ったときがいちばん危険。楽しみながらも、集中力は切らさずに!

【作り方】
@ニンニクとタマネギはみじん切り、ベーコンとキャベツは1cm角の薄切りにする。
A鍋にラードとニンニクを入れ熱し、香りが出たらタマネギを加え、しんなりするまで炒めたらベーコンを加える。キャベツも加えてさらに炒め、ブイヨンと落花生、鷹の爪、ブーケガルニを加え30分程煮込む。
B好みの大きさに切った湘南野菜を固い順に加え、好みの固さになるまで煮込み塩、コショウで味を調える。
C器にスープと野菜を彩りよく盛り、ポークのソテーを添える(手軽に作りたいときは軽く焼いたソーセージやハム等を添えてもOK)

「湘南野菜たっぷりのガルビュール ポークを添えて」
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尾鷲シェフの“湘南フレンチ”を味わおう
今回取材にご協力いただいた尾鷲シェフが1984年にオープンさせた『マリー・ルイーズ』。野菜は「てるてる農園」をはじめとした地元契約農家や自家農園の有機野菜、元気に放し飼い地鶏の自然卵、相模湾の地揚がりと築地直送の新鮮魚介、週2回のフランスからの航空便や芝浦市場直送の肉類などなど、20年来の付き合いの生産者から届く食材を使った、平塚ならではのフランス料理が楽しめます。尾鷲シェフはもちろん、スタッフの皆さんもとても気さくで親しみやすく、かなり居心地がいいです。
『マリー・ルイーズ』尾鷲シェフ 『マリー・ルイーズ』 『マリー・ルイーズ』
<住所> 神奈川県平塚市松風町1-16 レーベンス松風1F
<電話>0463-24-0465
<営業時間>
ランチ11:30〜13:30(L.O.)
ディナー18:00〜20:30(L.O.)
<定休日>月曜日
http://www.m-louise.com
     
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地元横浜出身・辻 詩音さんに注目!
辻 詩音さん ♪まずはファーストアルバムを聴くべし
5月19日に発売された辻さんのファーストアルバム『Catch!』には、今まで発売されたシングル4曲を含む全14曲を収録。初回盤DVDには今までの全シングルのミュージックビデオや「つじでいず 〜デビューからの軌跡〜」「つじらじお スペシャル♪ 〜セルフライナーノーツ映像〜」と題した2篇の未公開特典映像を含む全約51分をスペシャル・パッケージ。
●初回盤 DFCL-1624-25 3,780円(税込) CD+DVD 2枚組
●通常盤 DFCL-1626 3,059円(税込) CDのみ1枚

<辻詩音オフィシャルサイト>http://www.tsujishion.com

記念すべき初のワンマンツアーに行っちゃう
ファーストアルバム発売を記念して、愛知・大阪・福岡・東京をまわる初のワンマン・ツアーも開催!
最寄りの東京公演は7月24日(土)。お見逃しなく!

辻 詩音 ファーストツアー2010 "Catch!"(東京公演)
<日程>7月24日(土)17:00開場/17:30開演
<会場>ASTRO HALL(東京都渋谷区神宮前 4-32-12 ニューウェイブ原宿 B1)
<チケット料金>3,000円 (税込/スタンディング/1ドリンク代別途必要) ※3歳以上チケット必要
ホットスタッフ・プロモーション 03-5720-9999  http://www.red-hot.ne.jp/

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