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クリエイターのインテリア
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上から
●サロンのなかでもシックで豪華なソファはパリの老舗「Hugues Chevalier(ユーグ・シュバリエ)」で購入。 両サイドに本棚や引き出し式テーブルが一体化。●アパルトマンにあるマントルピースの上こそアールデコ装飾の見せ場。●ジャン=ルイが出版する書籍のサイズとデザインはシンプルなデザインで統一。●サロンに飾った花瓶はのみの市などで見つけたもの。緑はアールト・デザイン。

 今回登場していただいたジャン=ルイさん、実はこの「クリエイターのインテリア」企画のカメラマン、ジャックが住むアパルトマンの隣人である。聞けばジャックは18年、ジャン=ルイさんは30年も同じ住所に住んでいるとか。ジャックが「うちの上階に住む編集者のアパルトマンがアール・デコのスタイルでいいと思うよ」という推薦で、今回は取材にお邪魔することになった。

 若い頃は映画の音声技術マンをしていたジャン=ルイ。1990年頃、活字好きの友人と二人で、小さな出版社をスタートしたのが現在に続いている。社名「ラ・シャンブル・デコー(La Chambre d’echos)」は直訳すれば「音響の部屋」。著者と読者が響き合える距離にある本づくりが彼の仕事ともいえそうだ。アマチュア、プロを問わず、短編、長編小説を中心に投稿されてくる原稿が年間300本ほど。そのなかから選んだ作品を年間4、5冊のペースで書籍にしている。「本当はもっとたくさん本にしてあげたいんだけど」と言うジャン=ルイ。昔ながらの手作り感を大切にしているエディターである。

 ところで、その彼の仕事場を兼ねるアパルトマンは、フランス人の家には珍しく、すっきり、さっぱりとした印象。これから撮影するリビングを前にして、ジャン=ルイの第一声は、「僕はずっとこんなふうに、無駄なものがない空間が好き」。真っ白な壁、カーテンではなく白いブラインド、幾何学的な表情を見せるソファやテーブル。そこに優雅なカーブのアール・デコ・デザインの装飾品が配置されている。もっともこうした装飾は彼のパートナー、ミッシェルさんの趣味。アール・デコはフランスの1910年代から30年代を代表するデザインである。時の流行によって人気の浮き沈みはあるが、アール・デコのファンにはずっと昔からという人が多い。ミッシェルもそのひとりで、このアパルトマンに住み始めてからほとんどインテリアは変わっていないとか。彼女の南仏にある実家で祖父母の代から使っていたという時計や、骨董屋で見つけた花瓶などが空間を美しく飾っている。そして所々に旅先で集めてきたエスニックなオブジェ。それから遊び心満載のオブジェも。廃品物を利用して作品をつくるアーティストが彼らのお気に入りで、ときどき購入している。ちょっとした日常をこうしたフェティッシュなコレクションで楽しむインテリアのあり方は、フランス人の得意とするところである。

 今回、写真で紹介できなかったが、ふたりが「見てみて」と最後に案内してくれた寝室はジャパニーズ・スタイルだった。モノクロでシンプルなスタイルが二人のお気に入りなのだそうだ。

 
ジャン=ルイ・ユーゲットさん ジャン=ルイ・ユーゲット/
Jean-Louis Ughetto
www.lachambredechos.com

TEXT:中平美紀 PHOTOS:Jacques Pepion
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