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クリエイターのインテリア
クリエイターのインテリア

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●フランスでは、家族が最も集う場所はテレビのあるリビングではなく、おいしいものを一緒に分かち合うテーブルだという家庭が多い。●キッチンのカウンターの表側を黒板用ペンキで塗れば落書きもインテリアのデコレーション。「晴れた日曜日」の文字。テーブルはご両親からプレゼントされたアンティークのお皿とナプキンでコーディネート。●暖かい季節には外で食事を楽しむ。●屋上キッチンに行くのに5階に付けられた鉄の階段。●鉄の彫刻はMARC QUINN(マーク・キン)の作品。

 フランスで映画の映像編集にたずさわるベロニク・ブリュックさん。日本では2005年に公開された、フランスのある男女の物語「メトロで恋して(Clara et Moi)」は彼女が手がけた作品だ。イギリス人の夫、ニック・キンさんは、テレビのドキュメンタリー番組のプロデューサーとして活躍中。世界をまわりながら映像取材に忙しい日々を送っている。

 そんな毎日を仕事でフルに過ごす彼らがこのアパルトマンに引っ越してきたのは6年前のこと。パリの下町、19区にあるアールデコ建築様式の建物の5階部分とその屋上をテラスにした6階が彼らの住む家である。5階はリビング、夫婦の寝室や子ども部屋としながら、この屋上テラスにキッチンをしつらえたのは家づくりの発想としてはかなり珍しい。

 彼らが下見におとずれた時、もとはトレーニング・ルームとして使われていたこの屋上の部屋に一目惚れ。周りをガラス窓で囲んだ、決して豪華なつくりはいえない船室のような部屋だった。しかし、ここからは遠くにそびえるエッフェル塔が見え、トタン屋根にレンガ色の小さな煙突が並ぶパリの空の下の景色が自分たちだけのものになる。その場所をキッチンに改装しようと考えたのは、多忙なご夫婦がパリの自宅で会える貴重なひとときを、5歳になるジョルジュ君と10ヶ月のルシアン君も一緒に過ごせる空間にしたいと思いついたアイディアだった。都会の朝の喧噪をよそに、すがすがしい光や空気を感じられるこのキッチン・ダイニングでとる朝食は格別のようだ。

 そんなキッチンを屋上に持ったせいか、以前の住人が残した庭に、いつしか自分たち専用の野菜を作るようにもなった。生ゴミを利用して肥料をつくるコンポストを屋上に置いて、無農薬野菜づくりに挑戦中だ。今は冬期のため、残念ながらおいしそうに実をつけた野菜や果物を見ることはできなかったが、トマト、アプリコット、ブドウ、洋梨、イチジク、トウモロコシといろいろな種を撒き、植物が育つのを楽しみにしている。仕事に忙しい2人は、自動タイマー付き水まきにして世話のやりくりをしているのだとか。

  パリのアパルトマンの屋上にキッチン。屋上に住処を持てるラッキーな方々に絶対おすすめしたいアイディアだ。



ヴェロニク・ブリュックさん&ニック キンさん
ヴェロニク・ブリュックさん&ニック キンさん/
Veronique Bruque&Nick Quinn

TEXT:矢倉理江+中平美紀 PHOTOS:Jacques Pepion
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