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Media Spice!
  ■SELECTED MUSIC
いまの季節にぴったりの音楽を、Media Spice!が新旧のアルバムからセレクトしてご紹介します。
●55号 2010 March&April
モンシロチョウを見かけたら
 雪が溶けて流れとなり、霧が晴れて森が姿をあらわす。そんな情景が浮かぶVIRGINIA ASTLEYの「Some Small Hope」。DAVID SYLVIANとのデュエットにして天上の声を際立たせた坂本龍一のプロデュースが素晴らしい。
  4人が一丸となって突き進む演奏は硬質でエッジが立っているのに、どこか浮遊感が漂う。鬼才ドラマー、TONY WILLIAMSの「Fred」は技巧派の奏者が集まるからこその不思議なテクスチャーが魅力だ。
  偉大な歌手、ELIS REGINAの愛唱曲を集めたJOYCEのアルバムはブラジルが美しい旋律の宝庫であることを伝える。MILTON NASCIMENTO作の「Morro Velho」は、空を見上げて感じる郷愁がそのまま音になったかのよう。

VIRGINIA ASTLEY 『HOPE IN A DARKENED HEART』 TONY WILLIAMS 『BELIEVE IT』 JOYCE 『ASTRONAUTA』

VIRGINIA ASTLEY
『HOPE IN A DARKENED
HEART』

TONY WILLIAMS
『BELIEVE IT』
JOYCE
『ASTRONAUTA』

▼BACK NUMBER▼
●54号 2010 January&February
素材が決め手のスープのように
  広大な空間をイメージさせる音が、リリースされて25年を経たいまも新鮮なTEARS FOR FEARSの「Everybody Wants To Rule The World」。しかし、高揚感を喚起する魅力の核心はキャッチーなメロディにある。
スープをコトコト煮込むかのような演奏がヴォーカルの旨みを最大限に引きだす。MAZE featuring FRANKIE BEVERLYの「Can’t Get Over You」は年季の入ったソウル好きからリスペクトされる本物の味わい。
津軽三味線の第一人者である上妻宏光の激しい即興演奏に塩谷哲のピアノが反応すると静謐な世界が出現する不思議。AGA-SHIOの「じょんから」は多くの人が気づかずにいる民謡の美しさを斬新なスタイルで伝える。

TEARS FOR FEARS 『SONGS FROM THE BIG CHAIR』 MAZE featuring FRANKIE BEVERLY 『SILKY SOUL』 AGA-SHIO 『AGA-SHIO』

TEARS FOR FEARS
『SONGS FROM THE BIG CHAIR』

MAZE featuring FRANKIE BEVERLY
『SILKY SOUL』
AGA-SHIO
『AGA-SHIO』
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●53号 2009 November&December
森の動物がドングリを集め終わる頃に
 トーク・ボックスを通した人工的なヴォーカルと電子音を多用するサウンドが印象的なZAPPの「Dance Floor」は火鉢のごときファンク。反復するリズムに身をゆだねていると、遠赤外線でじわじわと暖まってくる。
 70年代半ば、才能に知名度も収入もまったく追いついていなかった時期の鈴木慶一がつくった「スカンピン」。仲間が集まり、焦燥感の上に彩り豊かな音を塗り重ねたとき、ポップ・ミュージックの理想郷が生まれた。
 発掘音源があるわけでもなく、リマスターによって音がよくなったというだけで大きなニュースになるTHE BEATLES は圧倒的別格。それはともかく、「Blackbird」の何億光年にも思える音の奥行きには音楽の神が宿る。

ZAPP『ZAPP U』 鈴木慶一とムーンライダース『火の玉ボーイ』 THE BEATLES『THE BEATLES』

ZAPP
『ZAPP U』

鈴木慶一とムーンライダース
『火の玉ボーイ』
THE BEATLES
『THE BEATLES』

●52号 2009  September&October
虫の音に耳をすませたら
  クラシックのジャズ化で世界的名声を得たブラジルの奇才アレンジャー、DEODATOだが、「Lovely Lady」のような自作の小品におけるセンスのきらめきも圧倒的。ゆく夏を惜しむように音の涼風が吹く。
オルガンもシンセも音色そのものに既視感のあるNEIL LARSENと、しなやかで鋭く切れ込むギターのBUZZ FEITEN。確固たるスタイルをもった二人による「Further Notice」はテンポを超える体感速度が気持ちいい。
空前の傑作をいくつも残しているMILES DAVISだが、最強のクインテットによる1967年のレコーディングはまさに神の所業。薄暗がりで目をこらすと美だけがくっきりと浮かび上がる「Fall」の神秘性は永遠だ。

DEODATO 『KNIGHTS OF FANTASY』 LARSEN-FEITEN BAND 『LARSEN-FEITEN BAND』 MILES DAVIS 『NEFERTITI』

DEODATO
『KNIGHTS OF FANTASY』

LARSEN-FEITEN BAND
『LARSEN-FEITEN BAND』
MILES DAVIS
『NEFERTITI』
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●51号 2009 July&August
不思議を探す夏
  躍動的なライヴ演奏が熱気を生み、美しいメロディが風となって吹き込むGILBERTO GILの「Palco」。聴衆をあおりにあおるヴォーカル、切れ味鋭いリズム隊、天に駆けのぼるキーボード・ソロと、すべてが素晴らしい。
ハワイのバンド、KALAPANAの「Black Sand」は70年代半ばに流行っていたクロスオーヴァーの語法や楽器の音色が盛りだくさん。それでも独自の味わいがあるのは、馴染んだ風景を音楽にしているからだろう。
JAMES TAYLORなどの影響を受けて細野晴臣が作曲したはっぴいえんどの「夏なんです」は日本の夏が濃密に薫る。松本隆による詩情あふれる歌詞の力だけではなさそうで、不思議に満ちた音楽は飽きることがない。

GILBERTO GIL 『QUANTA GENTE VEIO VER』 KALAPANA 『KALAPANA U』 はっぴいえんど 『風街ろまん』

GILBERTO GIL
『QUANTA GENTE VEIO VER』

KALAPANA
『KALAPANA U』
はっぴいえんど
『風街ろまん』


●50号 2009  May&June
緑と青の風景を見ながら
  ブラジル出身のBIAがフランスに渡ってPIERRE BAROUHと出会い、レコーディングしたデビュー・アルバムは洗練を極めるが、隠し味は野趣。音が風を呼ぶ「Photo!」は10年余り過ぎたいまも鮮度を保っている。
ナイロン弦のアコースティック・ギター1本でPETER HUTTLINGERが演奏する「Overjoyed」は、響きの美しさに加えて、グルーヴ感が気持ちいい。STEVIE WONDERがいかに偉大な作曲家であるかもアピール。
グルーヴといえばJEFF PORCAROのドラムス。MICHAEL McDONALDの哀愁にじむヴォーカルがタイトなリズムに乗る「That’s Why」を聴けば、あてはなくてもハンドルを握りたくなる。

BIA『LA MEMOIRE DU VENT』 PETER HUTTLINGER『NAKED POP』 MICHAEL McDONALD『IF THAT’S WHAT IT TAKES』

BIA
『LA MEMOIRE DU VENT』

PETER HUTTLINGER
『NAKED POP』
MICHAEL McDONALD
『IF THAT’S WHAT
IT TAKES』


●49号 2009 March&April
最高気温が20℃を超える日は
  外の光が入る自宅スタジオ(アルバムのジャケット裏の写真から快適さが伝わる)でレコーディングされたJAMES TAYLORの「One Man Parade」。名手たちがくつろいだ雰囲気で演奏する音楽はみずみずしい。
アルゼンチンのギター奏者、LUIS SALINASは爽やかさのなかに哀愁の滲む音楽性が魅力だ。「Santa Cruz」は典型。たっぷりとあるソロ・パートでナイロン弦から紡ぎだされるメロディは歌ごころに溢れている。
ミディアム・テンポの引き締まったリズム、キーボードやドラムスの抜けのいい音、そして軽やかなヴォーカル。MICHAEL RUFFの「Walkin’ With Somebody」は春風にも似て、心地よさを届けてくれる。

JAMES TAYLOR『ONE MAN DOG』 LUIS SALINAS『SALINAS』 MICHAEL RUFF『ONCE IN A LIFETIME』

JAMES TAYLOR
『ONE MAN DOG』

LUIS SALINAS
『SALINAS』
MICHAEL RUFF
『ONCE IN A LIFETIME』
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●48号 2009 January&February
ピノノワールを空ける夜には
  控えめなストリングスに続くフェンダー・ローズの響きが70年代の空気を届けるLIBBY TITUSの「Fool That I Am」。哀感と達観の入り混じったヴォーカルがいい。スキャットとフリューゲル・ホーンが残す余韻も格別。
古稀を越えなければ出せない味わいとはまさにこれ。MARK MURPHYが74歳のときにレコーディングした「Stolen Moments」は渋みの極地。気鋭のミュージシャンとともにジャズのスタイリッシュな魅力を抽出している。
ピアニストのFRED HERSCHとギタリストのBILL FRISELL、名手によるデュオは互いに過ぎ去った日を見つめ、そこで焦点が合うような演奏。「My One And Only Love」が醸す穏やかな雰囲気は日だまりの心地よさ。

LIBBY TITUS『LIBBY TITUS』 MARK MURPHY『LOVE IS WHAT STAYS』 FRED HERSCH+BILL FRISELL『SONGS WE KNOW』

LIBBY TITUS
『LIBBY TITUS』

MARK MURPHY
『LOVE IS WHAT STAYS』
FRED HERSCH+
BILL FRISELL
『SONGS WE KNOW』


●47号 2008  November&December
コート1枚分のあたたかさを
  プロデューサーとしてDAVID SANBORNやGEORGE BENSONを手掛る才人RICKY PETERSONが趣味全開でカヴァーしたBILL LABOUNTYの「Livin’ It Up」。あたたかい雰囲気と繊細な音づくりから愛情が伝わる。
もとより美しいIVAN LINSのメロディを、名匠TOOTS THIELEMANSがハーモニカと口笛で奏でるのだから味わいは格別。「Velas」が仕上がったとき、お膳立てしたQUINCY JONESも笑みをこぼしたことだろう。
日常に向けるやさしい視線。そこから生まれた曲を歌ったときにぴったりのホッコリした声。日野良一の「今日の気持ちを歌にして」は個人的な思いをストレートに表しながら、普遍的な魅力を放つ。

RICKY PETERSON『NIGHT WATCH』 QUINCY JONES『THE DUDE』 日野良一『そんな気持ちを歌にして』
RICKY PETERSON
『NIGHT WATCH』
QUINCY JONES
『THE DUDE』
日野良一
『そんな気持ちを歌にして』
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●46号 2008  September&October
ときには残暑も恋しくなる
  俳優でもあるテキサス出身のシンガー・ソングライター、LYLE LOVETTの音楽は粋なたたずまいが魅力。あたたかく、切れのいい演奏に乗せて歌う「I’ve Been To Memphis」にはノスタルジックな雰囲気が漂う。
ポップ・ミュージックの魔法使い、TODD RUNDGRENが曲づくりの才能を存分に発揮したUTOPIAの「Love Is The Answer」。せつないメロディと高揚感に満ちたコーラス、力強い演奏の組み合わせが鮮烈だ。
PAT METHENYにも影響を与えたギター奏者、TONINHO HORTAはブラジル音楽のエッセンスをスケールの大きな楽想の中で表現する。涼風を思わせる「Bicycle Ride」はスキャットのサウダージ感も心地よい。

LYLE LOVETT『JOSHUA JUDGES RUTH』 UTOPIA『OOPS! WRONG PLANET』 TONINHO HORTA『MOONSTONE』
LYLE LOVETT
『JOSHUA JUDGES RUTH』
UTOPIA
『OOPS! WRONG PLANET』
TONINHO HORTA
『MOONSTONE』

●45号 2008 July&August
30年前と同じ海の輝きを
  JIMMIE SPHEERISの「Child From Nowhere」は70年代のシンガー・ソングライター然とした穏やかな曲調とヴォーカルの涼しげな表情が魅力。名手CHICK COREAのフェンダー・ローズがきらめきを添える。
ヴォイス・パーカッションの鮮やかさなど、圧倒的な技巧もブレイクにつながったAL JARREAUだが、すべてを肯定するかのような声こそが素晴らしい。「I’m Home」は広々とした風景のイメージを喚起する。
30年前のこと、南の島へ旅立つ数時間前に鈴木慶一がヴォーカル録りをしたというムーンライダーズの「Travessia」。醸しだされる濃密な幸福感はMILTON NASCIMENTのメロディとともに、そうした状況に由来する。

JIMMIE SPHEERIS『PORTS OF THE HEART』 AL JARREAU『ALL FLY HOME』 ムーンライダーズ『NOUVELLES VAGUES』
JIMMIE SPHEERIS
『PORTS OF THE HEART』
AL JARREAU
『ALL FLY HOME』
ムーンライダーズ
『NOUVELLES VAGUES』
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●44号 2008  May&June
ブラジルまで続く空に
  曲を書いたら母の故郷であるブラジルの要素が自然に入っていたという隼人加織の「虹?arco iris」。日本語とポルトガル語が混在する歌詞はポジティヴで、さわやかなサ ウンドや潤いのある声にぴったり。
  デビューして間もない70年代のMICHAEL FRANKSはブラジル音楽への憧憬を微笑ましいほど真っ直ぐに表現した。「Down In Brazil」はボサ・ノヴァの大物、JOAO DONATOのピアノ・ソロが 涼風を届ける。
  傑出した才能を持ち、ときには刺激に満ちた音楽を創りだすCAETANO VELOSOとGILBERTO GILの「Desde Que O Samba E Samba」。穏やかなデュエットにはサンバという拠り所がある幸せが表れている。

隼人加織『プルーマ』 MICHAEL FRANKS『SLEEPING GYPSY』 CAETANO E GIL『TROPICALIA 2』
隼人加織
『プルーマ』
MICHAEL FRANKS
『SLEEPING GYPSY』
CAETANO E GIL
『TROPICALIA 2』


●43号 2008 March&April
出会いと別れの季節に
  グループ名に“芽”を含むPREFAB SPROUTの「Bonny」は、音そのものが朝露の降りた新芽を連想させる。止めることのできない時間の流れの中で一瞬の輝きを刻んだポップ・ミュージックは、ひんやりとして、美しい。
  快活さと哀愁がブレンドされたメロディ。のびやかなヴォーカルと親密感あふれるコーラス。おおらかにグルーヴする演奏。THE FIFTH AVENUE BANDの「One Way Or The Other」はモノクロの風景に色彩を加える。
  春は別れの季節でもある。いつの日か再会したときの幸せな気分をイメージするなら、ROGER NICHOLS & THE SMALL CIRCLE OF FRIENDSによるTHE BEATLESの「I'll Be Back」のカヴァーがぴったり。

PREFAB SPROUT
『STEVE McQUEEN』
『THE FIFTH AVENUE BAND』 『ROGER NICHOLS & THE SMALL CIRCLE OF FRIENDS』
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●42号 2008 January&February
ストーブがそばになくても
  心のささくれに即効性のあるメロディ。木もれ日のようにやわらかな光を放つサウンド。そして、すべての音が欠かせない音として機能する緊張感。KEITH JARRETTの「My Song」は、美しさとは何か、を伝 える。
  同じくKEITHの名曲「Country」を鬼怒無月と鈴木大介のギター・デュオ、The DUOがカヴァー。タメにタメる情感豊かなフレージングが、歌詞のない"うた"としてピアノで書かれたこの曲の本質を明らかにする。
  エレクトラ40周年記念アルバム『RUBAIYAT』に収録されたMICHAEL FEINSTEINによる「Both Sides Now」は切々としたヴォーカルがいい。作者のJONI MITCHELLへの敬意 に満ちた絵画的オーケストレーションも秀逸。

KEITH JARRETT
『MY SONG』
The DUO
『The DUO』
『RUBAIYAT』


●41号 2007 November&December
街路樹があざやかに染まったら
  郷愁を喚起する音色やメロディは国境を越えて共通するのだろう。そう実感させるのがLYLE MAYSの「Close To Home」。遠くで微かに鳴るシンセからピアノの余韻まで、すべての音が琴線に触れる。
  ソウルフルなヴォーカルが印象的なAKEBOSHIの「秋風のうた」。アイリッシュ・トラッドを取り入れた編曲が落ち葉の舞う街の風景を描く。
  父DJAVANの声と作曲センスを受け継いだMAX VIANA。温故知新をちりばめた音がマニアックでありポップでもある『COM MAIS COR』は粒揃いの快作だ。ゆるいグルーヴにせつないメロディが乗る「Acabar Bem」はエンディングの歌いまくるギター・ソロも気持ちいい。

LYLE MAYS
『LYLE MAYS』
AKEBOSHI
『STONED TOWN』
MAX VIANA
『COM MAIS COR』
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●40号 2007 September&October
いわし雲が広がる空に
  畠山美由紀と名曲「Don’t Know Why」の作者、JESSE HARRISの共同作業が素晴らしい成果を生んでいる。語りかけるようなヴォーカルとひなびたバンジョーの音によって「Blackbird」が新たな世界へと飛び立った。
  アコースティック・ギターとドラムスがゆったりとリズムを刻み、フェンダー・ローズとスキャットが寄り添うようにして涼しげなメロディを奏でる。AZYMUTHの「Cascade Of The Seven Waterfalls」は洗練の極み。
  さわやかな音楽は、その純度を限りなく高めていくと感傷に行き着くのだろうか。PAT METHENY GROUPの「James」を聴くと、秋の初めにどこまでも高い空を見上げるときのような気持ちになる。

畠山美由紀
『Summer Clouds,
Summer Rain』
AZYMUTH
『CASCADES』
PAT METHENY GROUP
『OFFRAMP』


●39号 2007 July&August
夕立ちの気配を感じて
  カプサイシンたっぷりの料理同様、夏に効くAVERAGE WHITE BANDの「Queen Of My Soul」。 じわじわと熱気を帯びていくグルーヴが見事で、Hamish Stuartのヴォーカルが放つ色気も格別の味わい。
 太陽はいつまでも高く、夏休みが終わる日は遠い未来に思えた。 記憶の隅にあるそんな瞬間へMICHAEL FRANKSの「Dragonfly Summer」は連れ戻してくれる。 まどろみを誘うハーモニーに乗せて。
 ささやくようなヴォーカルがゆったりと奏でられるギターと溶け合い、淡々と感傷を綴っていく。CLEMENTINEがGONTITIとコラボレートした「En Blanc Et Noir」は涼やかな表情が心地よい。

AVERAGE WHITE BAND
『SOUL SEARCHING』
MICHAEL FRANKS
『DRAGONFLY SUMMER』
CLEMENTINE
『EN PRIVE』
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●38号 2007 May&June
雲間から射す光の美しさを
  エフェクターを効かせたギターの和音が雲を描き、エレピのフレーズが光となって雲間から降り注ぐ。PORT OF NOTESの「With This Affection」は初夏の日のように穏やかで、しかし、歌われる思いは強く、深い。
ライトなソウル感覚とゴージャスにして品のいい音づくりが、唯一無二の芳醇を生みだしたBOZ SCAGGSの『DOWN TWO THEN LEFT』。「A Clue」はSTEVE LUKATHERのギター・ソロだけでも気持ちよく酔える。
ハスキーなのに、みずみずしい声がまず魅力的。のびやかなヴォーカルは技巧も十分で、オーガニックな音は高原に吹く風のよう。オスロ出身のシンガー、SILJEの「Tell Me Where Youユre Going」は目覚めの1曲にぴったり。

PORT OF NOTES
『COMPLAIN TOO MUCH』
BOZ SCAGGS
『DOWN TWO THEN LEFT』
SILJE
『TELL ME WHERE YOUユRE GOING』


●37号 March&April
さくらのトンネルを抜けながら
  あたたかく、軽やかで、みずみずしい。アン・サリーの声は春の陽光や南から吹く風をそのまま音にしたよう。浮き立つようなリズムとメロディの「All I Want」を聴くと、どこかに出かけたくなるはず。
  ボサ・ノヴァの伝統を継承したうえで、現代的なクールさを織り込むサンパウロ出身のシンガー・ソングライター、TOCO。ROSALIA DE SOUZAとデュエットする「Bom Motivo」はサウダージ感にあふれている。
  大御所BOB JAMESが約30年前の代表曲を上海のミュージシャンと再レコーディングした「Angela With Purple Bamboo」。二胡や笛などの伝統楽器によってメロディの美しさはより深みを増した。


アン・サリー
『VOYAGE』
TOCO
『OUTRO LUGAR』
BOB JAMES
『ANGELS OF SHANGHAI』
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●36号 2007 January&February
いつだって今日は昨日より新しい
  スウェーデン語で“あけましておめでとう”と歌われるのに、なぜか炬燵にみかんの情景が似合うBOO KASPERS ORKESTERの「Gott Nytt Ar」。ゆるい4ビートに乗るほっこりとした音が気持ちいい。
  ピアノのフレーズ、ギターの響き、ドラムスが刻むリズム。音楽を構成するすべての要素に詩情が溢れるスキマスイッチの「ズラチナルーカ」。切なさと高揚感がひとつになって上昇していくサビのメロディが胸に染みる。
  無数の水滴が光り輝きながら飛んでくるような、圧倒的なみずみずしさ。生そのものを描いたbirdの「ファーストブレス」はポップな装いの芸術作品。純化した創作意欲は傑作をつくりだす。


BOO KASPERS ORKESTER
『AMERIKA』
スキマスイッチ
『夕風ブレンド』
bird
『BREATH』


●35号 2006 November&December
暖房のスイッチといっしょに
  ブラジルの鬼才、EGBERTO GISMONTIは音楽の通念から自由に飛翔し、宇宙のように謎めいた音世界をつくりあげる。悲哀に満ちたメロディの彼方から美の光が射してくる「Agua & Vinho」は2分23秒の永遠。
  帰るところは温かいもの。ゴスペルやブルースといったルーツ音楽を取り入れて1970年前後に隆盛したスワンプ・ロックはほどよい重さが心地よい綿布団。冷える夜はMARC BENNOの「Franny」に潜り込みたい。
  キュート。キャッチー。スタイリッシュ。ひとつあればポップ・ミュージックとして優秀なのに、PATRICE RUSHENの「Forget Me Nots」は三拍子揃っている。ダンサブルなリズムに体が動いて体温上昇のメリットも。


EGBERTO GISMONTI
『ANTOLOGIA』
MARC BENNO
『MINNOWS』
PATRICE RUSHEN
『STRAIGHT FROM
THE HEART』
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●34号 2006 September&October
日ごと長くなる夜のために
  天才JACO PASTORIUSが書いた「Three Views Of A Secret」を、ギタリストの滝野聡は作者の才能にふさわしい茫洋たるスケールで表現。深く重いサウンドだからこそ、美しいメロディは一条の光となる。
  ゆらゆらと漂うBILL FRISELLの音が時間の感覚を鈍らせるなか、主役がブルージーなソロを取るMIKE STERNの「Blue Tone」。個性的な二人のギタリストの共演は夜の長さを魅力的なものにする。
  要所にアコースティック・ギターを用いつつ、エレクトロな音処理を盛り込む手際が鮮やかなSISTER SONNYの「Rumba Parumba」。ひんやりとした感触のイマジネーション豊かなポップ・ミュージックだ。


滝野聡
『TAKINO』
MIKE STERN
『PLAY』
SISTER SONNY
『THE BANDIT LAB』


●33号 2006 July&August
楽園を訪ねてみたくなったら
  実力派ギタリスト10人をフィーチャーしたSTEELY DANのトリビュート作のなかでも異彩を放つのがAL DI MEOLAによる「Aja」。ナイロン弦ギターの速弾きソロはシロッコのように熱く、スケールの大きな曲調に合う。
  静寂に包まれる夜明けの森。陽が射してくるとともにゆっくりと霧が晴れ、木の葉に結んだ露がきらめきはじめる。そんなシーンを見るような高木正勝の「Ophelia」。穏やかだが、生命力を感じる音楽だ。
  音を絵の具に、細野晴臣が極彩色の楽園を描く「Hurricane Dorothy」。初期のシンセ・ベースやリズム・ボックスのまったりとした音色が夢の世界へと誘う。“昔の音”がこれほど想像力を刺激するのはなぜだろう。


『THE ROYAL DAN A TRIBUTE』 高木正勝
『AIR'S NOTE』
細野晴臣
『TROPICAL DANDY』
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●32号 2006 May&June
夏を迎えるその前に
  祝30周年。吉田美奈子の『FLAPPER』はリリース時点で21世紀の現在へと先回りしていたかのように、みずみずしく感じられる。「夢で逢えたら」はまさに夢の世界でつくられたような端正なポップ・ソングだ。
  研ぎ澄まされた響きのピアノやギターがレイドバックしたフレーズを奏でるバランス感覚が気持ちいい塩谷 哲の「Calm」。一日の終わりに聴けば、どんなに疲れていたとしてもリフレッシュさせてくれそう。
  引き締まったリズムにホーンとストリングスが鋭く切れ込むSEAWINDの「What Cha Doin'」。じわじわと温度を高めながらも決して沸騰しないところがいい感じ。しなやかなPAULINE WILSONのヴォーカルもすばらしい。


吉田美奈子
『FLAPPER』
塩谷 哲
『HANDS OF GUIDO』
SEAWIND
『SEAWIND』


●31号 2006 March&April
暁を覚えない眠りに任せて
  サビのシンプルに上昇するメロディと、寄り添う豊かなハーモニー。それは気温と色とりどりの花を咲かせる植物の関係にも似て、美しい風景を描きだす。春の外出はDEBARGEの「Stay With Me」とともに。
  REI HARAKAMIが細野晴臣作品をカヴァーした「Owari No Kisetsu」は目覚めていようと、うたた寝の途中だろうと、聴き手を夢の世界の奥深くへといざなう。電子音の宇宙を漂うせつないメロディが気持ちいい。
  まどろみに身を任せるのは至福のときだが、淡い意識がいつしか悪夢に変わることもある。そして、悪夢を突き抜けた先にまばゆい光が見えることも。SQUAREPUSHERの「Lambic 9 Poetry」は聴くというよりも体験する音楽だ。


DEBARGE
『THE ULTIMATE COLLECTION』
REI HARAKAMI
『LUST』
SQUAREPUSHER
『ULTRAVISITOR』
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●30号 2006 January&February
霜の降りる朝に似合う音
  頬が感じる布団の外の寒さが怖くてなかなか起きあがれない。そんなときはHARPERS BIZARREの「The Drifter」を。甘美なコーラスと遠くで鳴るオーケストレーションは夢の世界。ただし、二度寝が許されない朝は危険。
  マンチェスター出身のフルート奏者、MICHAEL McGOLDRICKはケルトのトラッドをベースに現代性に満ちた音楽を創造している。田園と都市のランドスケープが現れては消える「Strange Journey」。ひんやりと美しい。
  寒い日はいっそ暖かい土地へ。沖縄そばの店で流れている曲のコンピレーション盤に収められた當間清子の「御馳走数え唄」。食べ物が羅列されるだけの歌詞と脱力のコーラスが南の風を運んでくれる。


HARPERS BIZARRE
『THE SECRET LIFE OF HARPERS BIZARRE』
MICHAEL McGOLDRICK
『WIRED』
『沖縄そば屋さんのBGM』


●29号 2006 November&December
落葉を踏む音とともに
  哀愁漂うメロディとハスキーな声の組み合わせが心地よいBILLY FIELDの「You'll Call It Love」。ノスタルジックな曲調も魅力だが、83年にウイスキーのCMで使われたから実際に懐かしく感じる人もいるはず。
  DEREK AND THE DOMINOSの『LAYLA』で高密度のタイトル曲に続く終曲として収められた「Thorn Tree In The Garden」。作者であるBOBBY WHITLOCKの渋いヴォーカルが絶品で、名盤にふさわしい余韻を残す。
  淡々としたギターのアルペジオ。つぶやくようなピアノ。静謐さを際立たせるサウンド・エフェクト。すべてが調和のためにある音世界でSAIGENJIが「Acalanto」(子守唄)を歌うとき、音楽は祈りになる。


BILLY FIELD
『BAD HABITS+TRY BIOLOGY』
DEREK AND THE DOMINOS
『LAYLA』
SAIGENJI
『ACALANTO』
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●28号 2005 September&October
日没に負けないスピードで
  西陽の当たる部屋で聴くナイロン弦のギターが心地よい。秋とはそんな季節だ。RENE TOLEDOの「The Traveler」は、ゆったりとしたテンポに乗せてひとつの音が奏でられるたびに、乾いた風が吹き抜けるよう。
  NED DOHENYが書いた「Life After Romance」を、TONY STONEは作者のプロデュースでレコーディング。ハスキーな声と透明感のあるサウンドが胸に染みるバラードもまた、いまの季節の暮れゆく時間にぴったりだ。
  日没に負けないスピードで、週末が終わってしまわないようにドライブできたらどれほどステキなことだろう。現実には不可能でも、JOSH ROUSEの「Winter In The Hamptons」が流れれば、目の前には青く大きい空が広がる。


RENE TOLEDO
『THE DREAMER』
TONY STONE
『FOR A LIFETIME』
JOSH ROUSE
『NASHVILLE』


●27号 2005 July&August
人影のまばらな海岸は好きですか?
  海を望む山の上にある、緑豊かなリオデジャネイロの高級住宅地に生まれ育ったCELSO FONSECAにとって、音楽とは故郷の雰囲気を伝えるためのもの。「Pousada」は地球の反対側へ飛ぶ最速便だ。<br>
 砂丘に佇む男の寂寞が歌われるDONALD FAGENの「On The Dunes」。歌詞がなかったとしても、曲調からイメージするのは波が打ち寄せる砂浜の風景だろう。乾いたベースの音が吹き抜ける風となり、気持ちいい。<br>
 優雅なストリングスにブルージーなハーモニカが襲いかかり、電子音が割って入る。そんな中間部をクライマックスとして、全編、シュールでポップなQUANTUM JUMPの「Barracuda」。“カマス”のトラックは何処へ?


CELSO FONSECA
『RIVE GAUCHE RIO』
DONALD FAGEN
『KAMAKIRIAD』
QUANTUM JUMP
『BARRACUDA』
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●26号 2005 May&June
快晴の日を、もっと気持ちよく
  沖縄の宴会には欠かせない手踊り、カチャーシーの21分を超えるメドレー「連続カチャーシー2005」。三線が鳴り響くなか、沖縄民謡界の重鎮と若手が掛け合いで歌い、その高揚感はまさにオーガニック・トランス。
  ちょっとせつないメロディがタイトルにぴったりなTHE PENGUIN CAFE ORCHESTRAの「The Sound Of Someone You Love Who's Going Away And It Doesn't Matter」。穏やかで、緊張感も少々の編曲も素晴らしい。
  ギターの名手、PAT METHENYがNORAH JONESの大ヒット曲をつま弾く「Don't Know Why」。流れているのが深夜の自室だとしても、そこでは若葉が風に揺れ、木もれ陽がきらめく。


金城実&よなは徹
『連続カチャーシー2005』
THE PENGUIN CAFE ORCHESTRA
『MUSIC FROM THE PENGUIN CAFE』
PAT METHENY
『ONE QUIET NIGHT』


●25号 2005 March&April
部屋のなかにも確実に春が
  南から吹く強い風が春の訪れを告げるように、力強いタッチのピアノが駆け抜けると空気の温度は一気に上昇する。JOE SAMPLEが歌ごころ溢れるフレーズを惜し気もなく繰りだす「Carmel」は暖かく、しかも爽やかなのがいい。
  メロウなハーモニーに乗せて美しいメロディが流れているかと思うと、ふいに膝の裏を突かれるような転調とオチャメなホーンが。LOUIS PHILIPPEの「Diamond」は、うたた寝しては我に返るの繰り返し。春の快感。
  ピアノが奏でる簡素な音列に、少しずつ少しずつベースやパーカッションが色彩を添えていくENOの「Zawinul/Lava」。その神秘的に拡張していく響きは、木が芽吹くシーンのスローモーション映像をイメージさせる。


JOE SAMPLE
『CARMEL』
LOUIS PHILIPPE
『YURI GAGARIN』
ENO
『ANOTHER GREEN WORLD』
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●24号 2004 January&February
“自分らしく”が新しい
  弦と管のレコーディングのとき、JAQUES MORELENBAUMに編曲・指揮を依頼したチチ松村自身が感動のあまり、泣いてしまった。そんなエピソードが稀なる美しさを物語るGONTITIの「Lovers」。シンプルなメロディと精緻なハーモニーがひとつになり、陶酔を誘う傑作。
  子どものころ、家で流れていたSTEVIE WONDERの「Another Star」をボサ・ノヴァにしたら面白そう。土岐麻子は自然体の発想とストレートな歌い方で、軽やかに新しい感触の音楽を創りだす。
  ハーモニーにとことん凝りつつ、全体像はあくまでもポップな「Only A Dreamer」。PAGESは技術とセンスで困難に挑んだ姿勢が素晴らしい。


GONTITI
『XO』
土岐麻子
『STANDARDS ON THE SOFA』
PAGES
『PAGES』


●23号 2004 November&December
そろそろ寒気団に備えましょうか
  寒気団がやってくるシベリアは広大だけど、スケールの大きさなら負けていないのがBRUCE HORNSBY AND THE RANGEの「The Way It Is」。ただしこちらは暖かさを運んでくる。力強く、美しいピアノが極上の味わい。
  メロウで洗練されたメロディがいい。ビシッと決まるコーラスが気持ちいい。エモーショナルなシンセ・ソロも素晴らしい。しかし圧巻は、じわじわ迫ってくるヴォーカル。ERIC BENETの「I'll Be There」。とろけます。
  60年代後半から70年代にかけて活躍したTHE 5TH DIMENSIONは、はつらつとしたコーラスとポップな音楽性が魅力。代表曲の「Aquarius/Let The Sunshine In(The Flesh Failures)」は高揚感に満ちている。


BRUCE HORNSBY AND
THE RANGE
『THE WAY IT IS』
ERIC BENET
『TRUE TO MYSELF』
THE 5TH DIMENSION
『UP-UP AND AWAY
THE DEFINITIVE
COLLECTION』
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●22号 2004 September&October
乾いた風に吹かれたい
  スモーキー・ヴォイスで歌われるバラードは芳醇。「You Show Me」にはMICHAEL McDONALDの魅力が凝縮されている。打ち寄せる波のテンポでリズムを刻むバックの演奏やSTAN GETSのサックス・ソロも渋い。
  1972年秋、ロンドンのレコーディング・スタジオを疾風が吹き抜けた。その奇跡がいまも世界中で再現される幸せ。CHICK COREA AND RETURN TO FOREVERの「Spain」。音楽の精髄。
  SYLVAIN LUCの「Berceuse Basque」はナイロン弦のギターによるバスク地方のトラディショナルのソロ演奏。次々に現れる美しいメロディとハーモニーが、陽だまりで揺れる花のように心をとらえる。


MICHAEL McDONALD
『TAKE IT TO HEART』
CHICK COREA AND
RETURN TO FOREVER
『LIGHT AS A
FEATHER』
SYLVAIN LUC
『AMBRE』


●21号 2004 July&August
引き潮の砂浜を歩きながら
  ご主人のAIRTO MOREIRAが推進力とニュアンスに富んだリズムを刻み、作曲者JACO PASTORIUSのベースが寄せては返し、HERBIE
HANCOCKがきらめくようなソロをとり、主役のスキャットが風となるFLORA PURIMの「Las Olas」。それはジャズの名を借りた海のアンセムだ。
 こどものころは無限の長さに感じられた夏も、いつしか、足早に過ぎ去ってゆく季節と知る。歌詞とは関係なく、そんなことをBOBBY CALDWELLの「I Don't Want To Lose Your Love」から連想するのはなぜだろう。
 YESに一時期在籍したPATRICK MORAZがブラジル音楽への憧憬を示した「Kabala」。全編でビヨンビヨン、ジージー鳴っているシンセがいい。


FLORA PURIM
『EVERYDAY,EVERYNIGHT』
BOBBY CALDWELL
『CAT IN THE HAT』
PATRICK MORAZ
『OUT IN THE SUN』
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●20号 2004 May&June
できればハーブティーもいっしょに
  数多くのカヴァーがあるMILTON NASCIMENTOの代表作「Travessia」を、あらためて時代を超える名曲中の名曲と実感させるのがchie。青空のような声で、切なくもおおらかなメロディが歌われるとき、こころの痛みはやわらぎ、小さな悩みなら消えてゆく。
 ONAJE ALLAN GUMBSの「Don't Touch My Heart」はピアノ・ソロがいい。熱を帯びているが、感触は爽やか。まるで初夏の午後だ。
 アコースティック・ギターによる58秒間のイントロが運んでくるのは牧草の匂い。渋滞にうんざりしたら、JAMES TAYLORの「Like Everyone
She Knows」を。車内は風がそよぐ高原になる。


chie
『SABIA´』
ONAJE ALLAN GUMBS
『DARE TO DREAM』
JAMES TAYLOR
『NEW MOON SHINE』


●19号 2004 March&April
外出する時間はありますか?
  MILES DAVISの「Spanish Key」は17分31秒間の大旅行。しかも、1ヶ月の休暇があっても決して行くことのできない彼方へ連れていってくれる。
 ブラジル音楽をこよなく愛するアルゼンチンのギター奏者がノルウェーで現地のミュージシャンと録音。そうした背景が音楽の色彩感に結実しているAGUSTI´N PEREYRA LUCENA QUARTETの「Encuentro De Sombras」。森に射し込む光が見えます。風にくだける波が見えます。保証します。見えなかったら? 目を閉じて、もう一度、聴いてみてください。
 インディーズ時代から傑出した個性を放っていたキリンジ。「休日ダイヤ」の車窓には、恋愛の温度感と孤独の気配が現れては消えてゆく。


MILES DAVIS
『BITCHES BREW』
AGUSTI'N PEREYRA LUCENA QUARTET
『LA RANA』
『冬のオルカ』
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●18号 2004 January& February
ゆっくり解凍? それとも直火?
  松任谷由実のオリジナルも傑作だけど、BETH NIELSEN CHAPMANがボッサのリズムに乗せて歌う「A Happy New Year」も素晴らしい。透きとおったガラス越しに暖かさが伝わるようなイメージ。キュンときます。
 多芸多才なTODD RUNDGRENの魅力が際立つのは美メロのポップ・ソング。「Can We Still Be Friends」は温もりのある密室感もいい感じ。
 北風に吹かれた身体を一気に熱したいなら、CHAKA KHANの「And The Melody Still Lingers On(Night In Tunisia)」を。成層圏を突き抜けるCHAKAの絶叫、HERBIE HANCOCKのシンセ・ソロ、CHARLIE PARKERの歴史的サックス・ソロをサンプリングしたブレイク。どれも凄すぎ。


『OVER THE SKY
Yuming International
Cover Album』
TODD RUNDGREN
『HERMIT OFMINK
HOLLOW』
CHAKA KHAN
『WHAT CHA' GONNA
DO FOR ME』


●17号 2003 November&December
影がのびる並木道で。
  いかにもイギリス的な翳りのあるメロディが秀逸。GENESISのギター奏者、MIKE RUTHERFORD率いるMIKE & THE MECHANICSの「Taken In」はポップで、暖かく、切ない。転調の効果がチョモランマ級。
 ヴォーカルの表情はときに情熱的、ときにキュートと多彩。そのすべてをスピリチュアルで凛とした空気感が包むALYSON WILLIAMSの「Just
Call My Name」。Omar Hakimのバスドラが曲の説得力を強調する。
 打ち込みでは決して代用できない表現に触れたとき、音楽は神秘的な正体を現す。MARCUS MILLERの「Nadine」は美しく、スリリングなベース・ソロがすばらしい。刺激に満ちたバラードだ。


MIKE&THE MECHANICS
『HITS』
ALYSON WILLIAMS
『RAW』
MARCUS MILLER
『MARCUS MILLER』
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●16号 2003 September&October
秋分の日を境に。
  昼と夜の長さが逆転し、昼が侵食されるようになると、時の流れに対する感受性が強くなるように思える。KEITH JARRETTの「Sundial」は、瞬間を印画紙に焼きつけるようなピアノの響きが、そんな時期にふさわしい。
 愛情はむろんのこと、哀しみも諦念も包み込んだ幸福感がSADEの声からは感じられる。夏の疲れが残っていったら「Kiss of Life」を。どれだけ摂取しても過剰ということのないサプリメントだ。
 つぶやくようなシンセサイザーのソロ。しかも、耳を傾ければ至言ばかり。GEORGE DUKEの「Only You Understand」が味わい深い。才能豊かなミュージシャンの力量は地味な印象の曲にこそ、見てとれる。


KEITH JARRETT
『STAIRCASE』
SADE
『LOVE DELUXE』
GEORGE DUKE
『COOL』


●15号 2003 July&August
夕凪の海辺で。
  イントロと中間部でサックスが同じメロディを奏でるが、バックの演奏が異なるためにメロディの印象が劇的に変わる面白さ。そうした構造面の凄みを抜きにしても、YELLOWJACKETSの「Geraldine」には繰り返し聴きたくなる魅力がある。涼しい(決して冷たくない)叙情を感じるのだ。
 ゆるいリズムと洗練された和音。「San Juan Sunset」のような小品にも、いや小品だからこそ、DEODATOの才能は溢れでる。
 いつ聴いても、夏の終わりの海辺へと連れていってくれるのがAZYMUTHのキーボード奏者、JOS・ROBERTO BERTRAMIの「E Nada
Mais」。サウダージ感の表出法は、ブラジル人以外には永遠の謎なのかもしれない。


YELLOWJACKETS
『THE SPIN』
DEODATO
『LOVE ISLAND』
JOS・ROBERTO BERTRAMI
『BLUE WAVE+DREAMS ARE REAL』
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●14号 2003 May&June
窓を流れる風景とともに。
  フェンダー・ローズのきらきらした音色。空に放たれるようなフリューゲル・ホーンのソロ。乾いた声。MARC JORDANの「Lost In The Hurrah」は初夏の眩しさに包まれている。
 シャツ一枚で過ごすのがあまりに気持ちよく、完璧と思える午後がある。完璧なメロディというのも稀に存在するわけだが、CHORO CLUBの「紅い花」は紛れもなくそのひとつ。永遠に続いてほしい2分57秒。
 幸せな気分になりたいなら、日常的な光景に目を凝らせばよかったりする。はっぴいえんどのオリジナルも傑作だけれど、MY LITTLE LOVERがカヴァーした「風をあつめて」も軽やかですてき。


MARC JORDAN
『BLUE DESERT』
CHORO CLUB
『BRASILIANA』

『HAPPY END PARADE』


●13号 2003 March&April
窓を流れる風景とともに。
  詩情あふれる音楽のつくり手であるDori CaymmiやYutaka Yokokuraといったミュージシャンが参加し、ブラジル音楽と米西海岸フュージョンの魅力を兼ね備えた歌ものアルバムとなったのがKEVYN LETTAUのデビュー作。「Shooting For The Stars」の澄みわたる音が気持ちいい。
 トロンボーンとテナーサックスがユニゾンで哀愁たっぷりのメロディを奏でるJAZZ CRUSADERSの「Travelin' Inside Your Love」。切なさを包み込むおおらかさを表現するのが大ベテランの真骨頂だ。
 艶やかな声。オヴェイション・ギターの乾いた響き。TUPAHNの「Better Late Than Never」は大地を駆け抜ける風の匂いがする。


KEVYN LETTAU
『KEVIN LETTAU』
JAZZ CRUSADERS
『Happy Again』
TUPAHN
『Foreshadows』
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●12号 2003 January&February
コートを脱ぎたくなる午後に。
  77年の『AJA』でよじれた作風を完成させ、スタジオワークの粋も極めたSTEELY DANだが、さらに注目すべきは、技巧を追求しながら、ときには涙腺までも刺激する情感をサウンドで表現したこと。「Deacon Blues」はホーン・セクションのハーモニーを追うだけでもドラマを感じる。
 空気公団。グループ名がもつ不思議な心地よさが「かくれてばっかり」には横溢している。研ぎすまされた才能が、いつも尖っているとは限らない。
 歌詞の舞台は90年代末の学校だけど、メールのない時代に学生だった世代も胸がキュンとなるはず。elliottの「Viridian〜ビリジアン」は、鮮やかな転調と洗練されたアレンジが、普遍的な輝きを放っている。

STEELY DAN
『AJA』
空気公団
『ここだよ』
elliott
『Viridian
〜ビリジアン』


●11号 2002 November&December
ときには暖房よりも欲しくなる音。
  声でどれだけ世界を温めてきたことだろうか、MARVIN GAYE。静かにわきあがるような幸福感に満ちた「My Love Is Waiting」は、少しぐらいの落ち込みなら一気に改善してくれる特効薬でもある。
 神への感謝が歌われるGREG PHILLINGANESの「Forever Now」はそれだけでもクリスマスに向くのだが、きらめきながら重なりあう楽器の響きがイルミネーションのよう。メロディもロマンティック。
 極北の地に雲間から射すひと筋の光。樹海の果てに広がっていた一面の花畑。実験音楽からポップへと大きな振り幅で活躍を続けるシカゴ出身の鬼才、JIM O'ROURKEの「Eureka」はひんやりと、暖かく、美しい。

MARVIN GAYE
『MIDNIGHT LOVE』
GREG PHILLINGANES
『SIGNIFICANT GAINS』
JIM O'ROURKE
『EUREKA』
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●10号 2002 September&October
外出できない日も、美しい秋の風景を。
  ガット・ギターの暖かい響きをシンセサイザーが霧の粒子となって包み込む。DAVID CROSBYがJONI MITCHELLと共作した「Yvette In English」は、深い森のように密やかで、凛としている。
 ブラジルのコンポーザー、IVAN LINSの傑作を豪華な顔ぶれでカヴァーしたQUINCY JONESの「Setembro」。抜けるような青空を映しだし、満天の星空もイメージさせるTAKE 6のマジカルなハーモニーが素晴らしい。
 フリューゲルホーンとギターが旋律を奏でるとき、ラヴェルの名曲はピアノ独奏や管弦楽とはまた違う美しい姿を現す。ART FARMER & JIM HALLの「Pavane For a Dead Princess 」は円熟の味わいが際立つ。

DAVID CROSBY
『THOUSAND ROADS』
QUINCY JONES
『BACK ON THE BLOCK』
ART FARMER & JIM HALL
『BIG BLUES』


●9号 2002 July&August
入道雲がわく午後は、音に涼をとる。
  NED DOHENYのアルバム『HARD CANDY』は、“かたい飴はいつまでも味が残る”という意味でタイトルがつけられたといわれる。オープニングを飾る「Get It Up For Love」の、25年以上を経たいまもみずみずしい音を聴けば、その的確さにうならされることだろう。
 声質が醸すほどよい哀感はPAULINE WILSONのしなやかなヴォーカルをひときわ味わい深いものにする。「The Love Lives On」は海のイメージを喚起する横倉裕のアレンジもあって、夏の午後にぴったり。
 LYLE MAYSの「Bill Evans」は一音一音の粒だちがよく、響きに透明感のあるピアノが美しい和音を奏で、体感温度を下げてくれる。

NED DOHENY
『HARD CANDY』
PAULINE WILSON
『INTUITION』
LYLE MAYS
『FICTIONARY』
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●8号 2002 May&June

 INDIAのDNAにはラテンの伝統と現代的なハイブリッド感覚が組み込まれている。パーカッション群を引き連れて快活に歌う「I Just Want to Hang Around You」は、雨上がりに射す陽のようにまぶしい。
 ブラジル人ほど自国発の音楽に誇りをもっている国民はいないのではないか。自然体で表現し、それが琴線に触れるJOYCEの音楽を聴くとそんなことを思う。「Tardes Cariocas」は豊潤なるハーモニーのつづれ織り。
 部屋にいたって、1発のスネアを合図に3分40秒は青空の下。疾走感あふれるMARILYN SCOTTの「Let's Be Friends」は、リフレッシュしたいときの特効薬。屋外で聴けばさらに効果は大きい。


INDIA
『DICEN QUE SOY』
JOYCE
『TARDES CARIOCAS』
MARILYN SCOTT
『DREAMS OF TOMORROW』


●7号 2002 March&April

 飄々としたヴォーカル。軽やかなアナログ・シンセ。UFO目撃談の歌詞。それらがなごめるメロディと合わさるとき、切なさを醸すのはなぜだろう。HIRTH MARTINEZの「Altogether Alone」には音楽のマジックがある。
 画家やコミック作家として活躍するメンバーもいるTHE SEA AND CAKEの音楽はみずみずしい。エレクトリック・ギターが透明感のある響きでコードを刻む「Afternoon Speaker」は、陽光に包まれる鋪道のイメージ。
 ブラジルの一流ミュージシャンが集うCAFE´ BRASILは、100年以上の歴史をもつショーロの楽しさや凄みを端的に伝える。流麗なアコーディオンをフィーチャーした「Noites Cariocas」はバックの一体感もすばらしい。


HIRTH MARTINEZ
『HIRTH FROM EARTH』
THE SEA AND CAKE
『OUI』
『CAFE BRASIL』
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