メディア・スパイス!おすすめ!横浜・湘南で活躍するクリエイター達のVibesを感じよう!
One Love Spice! ワン ラブ スパイス! verse5
地上と同じように空中でも踊りたい。天と地の境界を越えたダンサー
『エアリアル ティシュー』をご存知だろうか。フランスが発祥とされるこのダンスは、シルクやティシューと呼ばれる布を天井から吊るし、それに絡みつくように踊る、美しく華麗なダンスパフォーマンス。世界的に活躍するパフォーマンス集団「シルク・ド・ソレイユ」の演目としてもお馴染みだ。
エアリアルダンサー渡邊純子さんの、ダンスとの出会いはTVで見た新体操選手。リボンを持って画面の中を跳ね回る姿に魅せられ、新体操教室に参加した。その後もダンスへの情熱は冷めることなく、クラシックバレエ、コンテンポラリーダンス、ジャズダンス、タップダンス、ミュージカルと様々なジャンルのダンスを身につけていく。プロのダンサーとなり、全国各地で活躍している時に、『エアリアル ティシュー』への出演を依頼された。デビューは2005年に愛知県で行なわれた国際博覧会『愛・地球博』。地上で踊るダンスとの違いに最初は戸惑ったというが、持ち前の運動神経と今までのスキルで納得のいくステージを披露。以来、『エアリアル ティシュー』の虜となり、パフォーマーとして活動している。
横浜にある渡邊さんのスタジオで『エアリアル ティシュー』のパフォーマンスを見せていただいた。美しいドレープを持つティシューは、向こう側が透けて見えるくらい薄い。もちろんそれなりの強度はあるが、これに体を預け、空中で華麗に舞うというのは、まったく想像のできない世界。普段は小柄で可愛らしい印象の彼女だが、ティシューを握って演技に入ると体がひとまわり、いや、ふたまわりくらい大きくなったのかと錯覚するような躍動感。空中でも地上で踊るような感覚で演じるという彼女の言葉どおり、回転したりティシューから手を離すようなあり得ないくらい大きな動きも、そこが空中であるということを忘れてしまうくらい滑らかだ。ミュージカルなど、演技も経験している彼女ならではの豊かな表現は、美しさと同時に神々しさも感じるほど。緩急のリズムも絶妙で、呼吸をするのも忘れてその世界に惹き込まれてしまう。
そんな彼女がダンス以外に力を入れているのが東日本大震災の支援プロジェクト。10数年前からボランティア活動に積極的だった彼女は震災後すぐに行動を開始する。救援物資の補充から瓦礫の撤去まで、できることはなんでもやった。次は心のケアが大切なのではと、昨年10月、所属している『ふんばろう東日本支援プロジェクト』への依頼で、宮城県石巻市のお祭りで『エアリアル ティシュー』を披露した。被災された方々に気持ちが届くのか不安もあったそうだが結果は大成功。子供からお年寄りまで多くの人が感動し喜んでくれた。『エアリアル ティシュー』は空中で演技をするため、観客は顔をあげて上方を見ることになる。その場にいる皆が上を向くというポジティブなVibesが、ダンスの美しさを越えて観客の心に響いたのではないだろうか。
興味のあることにはすぐに挑戦するという情熱と行動力をもつ彼女。今後は積極的に他ジャンルのアーティストとのコラボレーションを行ないたいという。ダンスで地上と空中の境界をたやすく飛び越えたように、ジャンルの境界など関係なく、見るものに感動をあたえ続けるのだろう。
Information
渡邊純子さんも参加する『ふんばろう東日本支援プロジェクト』が主催するイベント「3.11 縁から絆へ〜ずっと忘れない〜」
日時:3月11日(日)14:30 場所:恵比寿ガーデンホール
チケット(全席指定・税込):\3,900
ホールロビーにて被災地支援に関する展示や物販あり(13:00〜、入場無料)
チケット申込先:サンライズプロモーション東京 TEL.0570-00-3337
渡邊 純子(わたなべ じゅんこ) エアリアルダンサー
宮城県塩竈市生まれ・神奈川県横浜市育ち。小学六年生から新体操を始め、後にクラシックバレエ、声楽も学ぶ。高校卒業後オーストラリアのメルボルンにダンス&語学短期留学し、クラシックバレエ、キャラクターダンス、モダンダンスを学ぶ。短大卒業後の翌9月より渡英し、バード芸術大学にてミュージカル全般及びダンス史、ダンス分析等を学びつつ学校主催の劇団(Bird Company)に参加、3年後「Dance and Theater Performance Degree」(グリニッジ大学より授与)を取得し卒業。現在はダンスだけでなく演出・振付等もこなし、他のジャンルのアーティストとのコラボレーションを行なうなど精力的に活動中。
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