道の駅開国下田みなとからの景色がいちばん!

プロ棋士 八代 弥さん

近年の将棋界が盛り上がりを見せる背景にあるのは若手の台頭と言えるでしょう。八代弥七段はその一翼を担う注目の存在です。2017年2月11日には、2016年度の第10回朝日杯将棋オープン戦で優勝しています。22歳11か月での優勝は同棋戦における当時の最年少記録で、五段での優勝、一次予選から出場した棋士の優勝も初めてと、インパクトの強いものでした。
八代さんは東伊豆町に生まれ、小学校1年のときから伊東市で育った伊豆出身の棋士。そんな縁もあり、アマチュアの将棋ファンを対象とした将棋大会のために、定期的に下田を訪れています。
「師匠(青野照市九段)のお手伝いで年に2回ほど、これまでに20回以上は行っています。審判をしたり、同時に複数の方と対局する多面指し指導将棋をしたりですね」
会場は下田港に面した道の駅開国下田みなとです。伊豆の風景に親しんできた八代さんにとっても、ここからの眺めは特別だそう。
「将棋大会ではいろいろな土地に行きますが、道の駅開国下田みなとから見る景色がいちばんですね。下田に行くのは不思議と晴れている日が多くて、うれしくなります」
小学校1年で将棋を覚えた八代さんは、当初は父が対戦相手であり、本を読むことで上達しましたが、小学校4年のときに将棋会所に通うようになり、棋力が劇的に変わりました。
「下田には、当時から知っていて、孫と祖父母のような関係の方もいらっしゃいます。将棋大会で子どもたちに接するときは、次も参加したいと思ってもらえるような、楽しい雰囲気を心がけています。自分は小4のとき、おとなの方に相手をしていただき、将棋がますます好きになりましたから」
将棋大会が終わると、もうひとつの楽しみがあります。
「打ち上げの食事会ということで、下田駅の近くにあるとんかつ屋さんに必ず行きます。将棋大会の運営の方に初めて連れていっていただいたときは、そのボリュームとおいしさに驚きました」
下田は、プロになってからは東京で暮らす八代さんが、英気を養う場所でもあるのです。

PROFILE
Wataru Yashiro
1994年3月3日生まれ。2005年、6級で奨励会に入会。2012年4月1日付けでプロ入り。2019年4月23日、平成最後の対局で三枚堂達也六段(当時)を破り、七段に昇段。居飛車・矢倉戦法を好む。趣味はダーツとカラオケ。
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